埼玉の伐採、製材ブログ

埼玉県入間市 屋敷裏山林のナラ枯れ枯損樹木の伐採

令和5年10月5日実施

地元入間市の当社と同じ地域で営業している植木屋さんより、近所にお住まいの旧家のお客様から屋敷裏周辺のナラが複数枯れてしまったため伐採の依頼がありました。

今現在猛威を振るうナラ枯れ病に罹って今年夏に枯れてしまい、落下枝や倒木の際に一番危険な納屋と隣家に隣接する枯れ木を先に伐採したいとのことでした。

8月上旬にご依頼をいただいていましたが、当社の方針により夏季の特殊系伐採作業は全作業員の安全確保のため基本的に見合わせているので、秋以降の着工でご了解をいただいていました。

伐採発生材は林内に残置してもよいことになっており人力でも伐採可能でしたが、その際には伐採木周囲の竹や薮を除去する必要があるため2日以上はかかる見込みでした。

周囲の道路幅等を計測の結果、幸いにもクレーンが使用できる状況であったので、ギリギリにも25tクレーンを搬入して1日で可能な範囲を伐採することになりました。

依頼人様の一番のネックとなっていた敷地南側の隣家に隣接するコナラは作業開始1時間で枝下ろしを終了し、続けてご依頼いただいていた納屋裏の1本も1時間足らずで枝下ろしを終了しました。

万が一の倒木の際に納屋へ影響のある枯れ木を可能な限り伐って欲しいとのことで、2本目の裏にあるもう1本のコナラにも手を付け、昼までにその枝下ろしも終了しました。

午後は枝下ろしをした3本の幹を林内へ伐倒し、樹冠下の伐採跡地に伐採枝等を置くために支障となる幹は搬出しました。

枝は束ねてクレーンで林内へ戻し、幹と太枝伐採材は林内へ戻さずに当社で無償で引き取り搬出しました。

当初の予定以上に伐採したために幹伐採材が積み切れなかったので、後日使用した敷鉄板の引き上げと同時にそれらを搬出して今回の処置は一旦終了となる見込みです。

伐採木周辺

クレーン搬入

南側枯れナラ枝下ろし

南側枯れナラ枝吊り伐り

納屋裏枯れナラ枝下ろし

納屋裏枯れナラ枝吊り伐り

納屋奥枯れナラ枝吊り伐り

伐採材吊り出し

太枝等伐採材

施工後

 

埼玉県入間市 JR八高線沿い山林の皆伐

令和5年5月11、12日実施

地元入間市の近所にお住まいのお客様より、ご自身所有のJR八高線沿いにある立木20本余りのスギ林皆伐の依頼がありました。

JR八高線と県道との間にある約200㎡の狭い山林で、万が一倒木が発生した場合にはほぼ確実に線路または県道に障害の発生する状況であるため対策したいとのことでした。

線路に干渉する危険度合の高い樹木等は以前よりJR側で依頼人様の承諾の下で伐採済みでしたが、残りの樹木は現状で直接干渉していないためにJR側ではすぐさま対処できないとのことでした。

JRや役所等の対応を待っていては万が一の重大事故が発生した際には莫大な補償問題となるため、依頼人様自身で対処せざるを得ないとのことで当社へご依頼をいただきました。

JR線隣接地での作業のためJR側への工事許可(近接協議申請)を申請しての作業となり、昨年11月上旬に伐採のご依頼を頂き、合間を見て協議や許可申請で多数の書類のやり取りをして今年2月に許可が下りました。

4月中旬から着工可能でしたがその時期は当社の都合が合わないこと、多客期(連休中及びその前)の施工はJR側より施工禁止時期に指定されていたので、双方協議の上で作業日を5月11日に決定していました。

線路際での作業のため列車見張員有資格者の配置を義務付けられていましたが、依頼人様とJR側の協議により列車見張員はJR社員3名が視察と立合いを兼ねて担当してもらえることになりました。

伐採にはラフタークレーンの使用が認められていたので、山林隣接の空地の使用承諾を得て、20tクレーンを搬入しての伐採となりました。

小径木及び手前側中径木は全木状態で吊り伐りして林内へ吊り倒して枝払いを造材を実施し、10時までに手前側及び県道側の樹木で山林内半数の伐採を完了しました。

10時半よりJR社員の立合いが予定されていたので、そこからは線路際及び奥側高木は胴切して樹高を低くしてから幹を吊り伐り、奥側のスギ3本のみ幹は伐倒しました。

伐採材は素材として搬出するため玉切や胴切する際は適切に検地して造材し、枝葉は山林内の窪地へ集積残置してもよいことになっていました。

11日に伐採作業は終了してJR社員の立合いも終了し、12日は伐採材の集材と搬出、枝葉の集積や重機材等の引き上げを行って作業を終了しました。

この山林のスギは昭和30年台、当社創業者の助言により依頼人様ご自身が植林を行ったもので、そのスギを当社4代目が収穫しました。

伐採木

クレーン設置

スギ全木吊り倒し

ヒノキ全木吊り倒し

線路隣接スギ梢端吊り伐り

林内最高樹高スギ梢端吊り伐り

伐採後

伐採材積込

素材搬出(1台目・A材B材)

施工後

 

埼玉県所沢市 雑木林林縁樹木の伐採

令和5年4月21日実施

以前より当社へ伐採依頼をいただいている所沢市のお客様より、ご自身所有の雑木林の林縁樹木の伐採の依頼がありました。

コナラ林のためカシノナガキクイムシによるナラ枯れ被害で、一部の枯れ木の枯れ枝が住宅に落下し、屋根の破損が発生したために枯れ木を中心に住宅側一列を伐採したいとのことでした。

当社で調査したところかなりの割合で虫食いが確認されたため、万が一倒木が発生しても近隣に被害が発生しないまでに中規模に伐採することを提案し了承されました。

その際に今回伐採する道路側も見通しの悪さや枝の垂れ下がりを近隣より指摘されていたので、予算次第で伐採したいとのことでした。

道路側伐採木のコナラやクヌギにも虫食いが確認されていたので、3月の住宅側伐採時に道路側も実施を前提に下刈りや小径木の伐採を実施しました。

道路側の大径木は電線の上に大きく枝が被っているため、13tクレーンを山林内に搬入して枝を吊り下ろしてからの伐採となりました。

伐採木は大径木3本、中径木以下5本の合計8本で、クレーン伐採優先のため枝払いは後回しとして1日で伐採を完了しました。

当日中に大径材のみ搬出し、後日枝払いや残りの伐採材搬出を1日で完了して作業を終了します。

枝等は山林内に寄せて残置可能で幹も残置しても良いとのことでしたが、3月中の伐採と今回の伐採で約80tの幹等の伐採材は全て無償で搬出して当社で引き取りました。

伐採木

3月伐採済み住宅側

ヤマザクラ大径木枝吊り伐り

ミズキ枝吊り伐り

クヌギ大径木枝吊り伐り

クヌギ大径木枝吊り伐り

コナラ大径木伐倒

クヌギ大径木胴木吊り伐り

大径木伐採材

施工後

 

東京都八王子市 山林林縁河川脇のケヤキ高木の伐採

令和5年4月20日実施

八王子市のお客様より当社へ直接、ご自身所有の山林林縁と河川との間にある樹高30m超、目通り260㎝のケヤキの伐採の依頼がありました。

ケヤキ直下のお宅より落葉や落下枝によるクレームで、何らかの対処をせざるを得なくなり枝下ろしか伐採のどちらか実施したいとのことでした。

当社では枝下ろしだけでも根元から伐採しても工費は変わらないため、伐採となりました。

伐採には川を挟んでケヤキの対岸にある他人様所有の空地の使用承諾を得て、20tクレーンを搬入しての伐採となりました。

伐採材は全て空地へ吊り下ろし、枝払い等処理後は廃棄対象の枝は伐採木の根元付近の山林へ束ねてクレーンで送り込んで残置、太枝材以上は全て無償で搬出しました。

追加で目通り150㎝位のケヤキ1本も伐採し、既存伐採木は地上5m付近で又分かれして枝部分だけでも25m以上ある高木のため伐採材の量が多く、軽く載せても2台分となりました。

伐採木

枝吊り伐り

枝吊り伐り

太枝吊り伐り

太枝2番玉胴切

元伐り

元木吊り出し

伐採材積込

胴木等伐採材

太枝等伐採材

 

乾燥済み薪材の本格販売を開始しました

昨年より製造を開始しました薪割り済み薪材が、製造(乾燥)開始より1年以上が経ちました。

夏の高温と冬の低湿度の下、24時間365日風通しの良い屋根下に保管しました結果、おかげさまで変色の非常に少ない良質な薪が完成しました。

1年が過ぎましたことで、当社の基準により乾燥材(気乾材)として販売いたします。

堅い樹種は今年の夏にもう一度高温に晒すことで芯に残った水分が抜け、今冬の使用に申し分のない出来上がりになることでしょう。

樹種はスタンダードなコナラやクヌギの他、高級なカシ材、香りを楽しむサクラ、燃え方を楽しむクリやエノキ等様々な種類の薪と使用用途別の割り方をご用意しております。

ストーブ等で大量に使用したい方向けにメッシュパレット1箱単位、バーベキューやキャンプで少量で使用したい方向けにカラーコンテナ1箱単位の2パターンでの販売となります。

ラインナップ、販売方法等詳しくは薪割り済み薪材のページをご覧ください。

キャンプ・バーベキュー・焚き火向け乾燥材小割薪針葉樹(カラマツ)はカラーコンテナ1箱2000円、広葉樹(コナラ又はヤマザクラ)はカラーコンテナ1箱2500円、ストーブ向け乾燥材中割~大割薪堅木広葉樹(コナラ又はクヌギ)はカラーコンテナ1箱3000円より販売中です。

メッシュパレット単位での販売やその他のご質問等、ご購入についてのお問い合わせお待ちしております。

令和4年度全国優良木材展示会で当社伐採のケヤキが林野庁長官賞を受賞

令和4年11月18日開催

令和4年10月12、13日に当社が東京都八王子市で伐採した「銘木・大木・古木」超長尺ケヤキを一般社団法人全日本木材市場連盟主催の令和4年度全国優良木材展示会(於:東海木材相互市場 大口市場)に出品し、11月17日の審査の結果、林野庁長官賞を受賞いたしました。

当社伐採のケヤキが林野庁長官賞を受賞しました

出荷前元口

出荷前元口

出荷前末口

出荷前末口

展示品末口

展示品末口

展示品末口

展示品末口

展示品元口

展示品元口

展示品元口

展示品元口

東京都八王子市 「銘木・大木・古木」超長尺ケヤキの買取伐採(2)

令和4年10月13日実施

八王子市での銘木ケヤキ伐採の続き記事です。

昨日に胴木以外の伐採、枝処理、伐採材の搬出を完了しており、2日目はいよいよ胴木の伐出だけとなりました。

クレーンは20tクラスまでしか裏庭へ搬入することができず、10t超の重量級胴木を20tクレーン1台では到底吊りきれないので、20tクレーンの横に16tクレーンを押し込んで2台のクレーンで共吊りすることになっていました。

また、ケヤキが立っている裏庭の中から道路までの搬出と積込するために、25tクレーンも裏のお宅の常口にスタンバイして、1日に3台のラフタークレーンを使用して伐出するという計画の下で2日目の作業を開始しました。

胴木運搬には大型トラックでは現場周辺まで進入が難しいことの他、全長と重量から運搬が困難なので、トレーラーも手配して出荷前に一旦当社貯木場へ搬入して保管することになっていました。

20tと16tクレーンが裏庭の中で重なるように設置を完了し、胴木上部から2台のクレーンへ合計3本のワイヤ玉掛けも完了して元伐りを開始しました。

途中、異物切断等のトラブルで根切り開始から丁度40分掛かって根離しし、その後20tクレーンの安全位置まで寄せてから16tクレーン側の玉掛を解放して、根元側へ掛け替え後は2台で吊り倒すようにしました。

16tクレーンが裏口まで下がるように小移動して、20tクレーンとの共吊りでケヤキの元口を裏口へ向けて少しずつ引っ張り出していきました。

25tクレーンが使用できる位置まで16tクレーンで元口を移動した後は25tクレーンにバトンタッチして、今度は20tクレーンと25tクレーンの共吊りで25tクレーン1台で胴木を吊り上げられる位置まで引き寄せました。

午後一番で近場に待機していたトレーラーが到着し、25tクレーン1台で胴木を吊り上げてトレーラーへ積み込みしました。

トレーラーへの積込から搬出時は関係者以外に近隣住民や近くの工事現場作業員等数十人のギャラリーが駆け付け、物珍しさや名残惜しむ人に見送られながら現場を後にしました。

トレーラーに16tクレーンと25tクレーンが同行して当社貯木場へ向かい荷下ろしして、積替えと出荷待ちを含め一旦貯木して今月末頃まで貯木場の街道からよく見える位置で公開しています。

出荷に向けて末口側の腐り除去等の造材実施、元口側で依頼人様へ輪切を切り出して返還するため出荷時は全長と重量が減少する分、見栄えが良くなる見込みです。

 

元伐り①

元伐り①

元伐り②

元伐り②

元伐り③

元伐り③

根張り切り離し

根張り切り離し

胴木共吊り

胴木共吊り

胴木搬出①

胴木搬出①

胴木搬出①

胴木搬出②

胴木搬出③

胴木搬出③

伐採材

伐採材

伐採材

伐採材

伐採記念写真

伐採記念写真

東京都八王子市 「銘木・大木・古木」超長尺ケヤキの買取伐採(1)

令和4年10月12日実施

当社の知り合いの方の紹介により、八王子市内にお住まいの知り合いの屋敷内裏庭にある目通り350㎝のケヤキ大木の伐採の依頼がありました。

今年3月上旬に紹介をいただいて訪問したところ、目通り350㎝で有効枝下高が10mを越えていることは確実で、ほんの僅かな曲がりが見られるものの幹は無傷の大変素晴らしい状態で立っていました。

只者でないことは一目瞭然、非常に価値のある材であることは外観を見ただけで確実な状況で、樹齢も同等目通りの一般的なケヤキとは一線を画していました。

しかしながら、立地条件が良いとは言えず、伐採に25t以上のクレーンを裏庭へ搬入することができず、計測の結果でも20tクラスのクレーンの搬入が一杯な状況でした。

裏庭も決して広いとも言えず、作業条件・搬出条件ともかなり厳しい部類に属する現場となっていました。

このような条件でも技術的に長尺材で伐出可能で、短幹材にしてしまうと価値が著しく下がってしまい、超長尺材で搬出するために高額な経費を掛けてもこちらの方が当社、依頼人様ともに良いことが分かっていました。

依頼人様の裏のお宅の広い庭を基本的に全面使用可能ということを予め伝えられていたので、車両の搬入・駐車には全くの問題がありませんでした。

周囲のご近所様にもご協力いただけたことで超長尺材で搬出可能な目処が立ったので、立木の超高額買取が実現し、当社が高額な伐出経費を負担しても依頼人様への差し引き買取価格も高額で買上げすることができました。

この現在のケヤキの需要度から、全額買上げでの伐採が可能なケヤキは相当稀で、当社でもかなり久しい買取の案件でした。

3月末に立木の売買が成約し、訪問した時点ですでに伐採時期が悪かったので、伐採は今秋の11月中旬以降としていました。

しかし、8月に依頼人様より裏の車両等を停め置かせていただけるお宅が10月下旬頃より母屋の工事が始まるとのことで、9月中には伐採して欲しいとの要請がありました。

9月では伐採時期が悪く、当社のシーズンにも入っていないことから、10月中旬まで無理を言って伐採を待っていただきました。

工期の都合上、確実に作業するため10月12、13日で作業する旨を裏のお宅、クレーン屋さんへ早い時点で打診しました。

また、クレーン屋さんには2日目に3台のクレーンと胴木運搬用のトレーラー1台の合計4台の車両を貸切る都合上、相当早い段階で予約を入れていました。

12、13日ともに近日になった時点で雨予報が発表されていたものの、裏のお宅の都合とクレーンやトレーラーの予約を延期できないと判断し、強行することにしました。

12日は厚い雲に覆われていたものの幸い作業中の雨は回避し、朝から20tクレーンを一旦裏のお宅へ搬入して、そこから依頼人様の裏庭へ鉄板を敷設しました。

10時前にクレーンを依頼人様の裏庭の作業位置へ搬入して、枝下ろし作業を開始しました。

枝は数回に及んで枝下ろしを実施していたため細めの枝が多く、初回の強剪定時には元々の太枝をかなり低い位置で剪定していたので、枝は比較的少ない状態でした。

以前の強剪定がかなり強度の剪定であった影響と、相当前の台風で大枝が折れたことによる腐食が予想よりも激しく、特に折れた一番太い枝の跡が火口湖のようになってヘドロの沼になっていました。

枝下の胴木に悪影響を及ぼす可能性のある腐食であったので、造材をするにあたり胴木伐採後に調査する必要のある事項となりました。

15時までには枝下ろしと太枝の伐採は完了し、夕方以降にそれなりの降雨が予想されていたのでクレーンは胴木を伐採する位置へ移動と設置を完了して初日の作業を終了しました。

細枝は敷地内でチップ化してそのまま残置してもよいことになっており、チップ化できない太枝以上の伐採材は当日中に搬出を完了しました。

伐採木

クレーン搬入

クレーン搬入

クレーン設置

クレーン設置

枝吊り伐り①

枝吊り伐り①

枝吊り伐り①

枝吊り伐り①

枝吊り伐り②

枝吊り伐り②

枝吊り伐り③

枝吊り伐り③

太枝吊り伐り

太枝吊り伐り

太枝吊り下ろし

太枝吊り下ろし

枝葉粉砕作業

枝葉粉砕作業

太枝伐採材積込

太枝伐採材積込

 

東京都奥多摩町 東京農大奥多摩演習林宿舎周辺のモミ4本等の伐採

令和4年10月6~10日実施

社長出身校の東京農業大学の担当教授より、奥多摩演習林研修センターの資料館周辺にある目通り280㎝のモミ1本や目通り180㎝前後のモミ3本、スギ1本の伐採の依頼がありました。

目通り280㎝のモミは資料館の目の前の斜面に立っており枯れ枝の落下が目立っていることや、資料館脇の急傾斜地に立っている目通り180㎝前後のモミ3本は太いフジツルに樹冠部全てを激しく巻かれ、一部枯れ始まっていました。

特にその3本のモミの落下枝が激しく、斜面下のシャワー室周辺に多数の枯れ枝が落ちていることが目立っていたため、双方屋根の破損と学生への危害防止のため早急に対処したいとのことでした。

当初は3月に伐採の計画が持ち上がり、夏の実習前に伐採したいとのことでしたが、伐採本数の変更等で最終的な実施判断が7月末に下されて夏の実習期間と暑さを避けた結果、10月上旬頃の施工予定となりました。

当社ではクレーンの使用が可能と判断し、伐採材が再利用な可能なサイズで伐出可能であることで、大学側としても幹を材として搬出が可能な工法を唯一提案した当社へ発注していただけることになりました。

枝葉は当初より林地に残置してもよいことになっていましたが、特に幹は断幹材で残置すると斜面下へ滑落する危険性が高いことや、腐るまで時間を要することから基本的には搬出することを提示していました。

また、演習林及び森林総合科学科からの依頼であるため、林業的に利用可能な状態で伐出することがある意味で求められていました。

伐採するために必要なクレーンを搬入するには宿舎周辺の要所に鉄板を敷設する必要があり、演習林へ続く林道は急坂が多く狭いので満足な中型車も進入できない状況でした。

クレーンも本来であれば25t級を搬入したいところ、途中の橋桁高、林道幅員、宿舎通路幅から不可能で、20tクレーンがかろうじて搬入可能な最大のクレーンでした。

予め4日にユニック車1台とダンプ2台で鉄板を当社より運搬して敷設し、6日からすぐにクレーン作業に取り掛かれるように準備しました。

6日朝にクレーンを搬入して作業位置に設置しましたが宿舎周辺は大雨となり、樹上作業は危険なため伐採作業を行わずに初日の作業を10時で打ち切りました。

7日も宿舎周辺は朝から雨で、前日よりも多少降り方が弱かったため作業を強行し、伐採予定のスギ1本とクレーン作業の支障となるスギ高木1本を伐採して2日目の作業も10時で打ち切りました。

7日より教授2名や学生数名も泊まり等で伐採作業を見学に来られていたので、通常は雨天時の樹上作業は行わないものの実演するためにスギの伐採のみ行いました。

5日間工期のうち雨天を想定して1日分は予備日を想定していたものの、すでに2日目で予備分を使い果たしてしまったので、8日は朝早くから作業を行うことになりました。

目通り280㎝モミは通常1日作業では伐出が難しく、1日と少々の工程を予定していたので早出作業が功を奏して当日中に伐採と伐採材2台分も搬出を完了し、ツル巻きモミのツル処理にも一部取り掛かることができました。

ツル巻きモミはクレーンがほとんど届かない位置に立っていたのでほとんどの作業が人力作業となり、クレーンはウインチ作業の代役と伐採材の集材に使用する程度となりました。

周辺の残存木への損傷を防ぐためツルを可能な限り処理した後で樹幹部を伐り落とし、幹のみを安全な方向へ伐倒して、途中で雨に遭いながらも残りの2日間で3本を伐採して搬出しました。

最終的に当社ではクレーン作業でも人力作業でも断幹材は一切発生せず、目通り280㎝モミの元木と2番玉の大径2m(8尺)材を除き、製材用材・土木用材・チップ材向けは全て3mもしくは4m材で伐出しました。

伐採材全てにおいて再利用な可能な大きさで伐出ができたので搬出運搬費を相殺し、予定通り当社の規定により無償で引き取りました。

伐採木(目通り280㎝モミ)

伐採木(目通り280㎝モミ)

クレーン搬入

クレーン搬入

梢端吊り伐り

梢端吊り伐り

横枝吊り伐り

横枝吊り伐り

6番玉胴切

6番玉胴切

4番玉胴切

4番玉胴切

2番玉胴切

2番玉胴切

元伐り

元伐り

伐採材積込

伐採材積込

伐採材搬出(元木~3番玉)

伐採材搬出(元木~3番玉)