平成30年1月20日実施
先月、同町内で寺院のモミ高木を伐採した近所のお客様より、畑の脇の竹藪の中にある目通り310cmのキリの伐採の依頼がありました。
モミを伐採している際に見に来られた方のご依頼で、以前に畑側の大きな枝が折れて落ちたことがあるため対処しておく必要があるとのことでした。
畑側の枝が折れた影響で反対側に枝が偏っており、その方向には芸術活動をされている方の作業場があって、万が一枝が折れた際のことを考慮して早く伐採したいとのことでした。
大木の枝のため非常に太く、キリは他の樹種に比べて重量が軽いとはいえ枝は折れやすく、比較的樹齢が古い木なので枯れ枝も多数あった状態でした。
枝は短く切って畑に積んでおいてもらえれば依頼人様が処分するとのことで、幹はどうしても対処できないので当社で引き取ってもらいたいとのことでした。
伐採材を全て現地に残置してもよければチルホールを用いて畑へ伐倒することも可能でしたが、幹を搬出する必要があるためクレーンを使用することにしました。
芸術家の方の作業場横の空きスペースをお借りして16tクレーンを搬入し、クレーン作業の支障となる竹を伐って可能な限りキリに近づけるようにしました。
クレーンとキリとの距離が約13mも離れており、25tクレーンの搬入には空きスペースへの鉄板敷設の必要や現場直前の橋の耐久性に不安がありました。
畑が依頼人様の所有であり、枝と胴木上部を吊り伐りできれば残りは畑に向かって直接伐倒できるので16tクレーンでの作業で十分と判断しました。
16tクレーンで空きスペースへ進入したところ、ほんの僅かにタイヤが沈下しましたが走行には問題なく、クレーンを予定の位置に設置することができました。
まず最初は手前側作業場の方へ伸びた枝から吊り伐りを開始し、伐り下ろした枝は竹藪を跨いで畑へ直接吊り下ろしました。
枝を全て取り払った後は11m付近で大きく曲った位置で4番玉を胴切し、この位置で既に幹が太かったので70cmバーのチェーンソーで胴切しました。
4番玉を吊り伐りした時点で重量が1t近かったので、元木と2番玉を最低4m取りするために残りの胴木は畑へ伐倒することにしました。
胴木の重心が畑側に傾いていたので、チルホールを用いずにクサビで補助して伐倒しました。
伐倒後は幹の曲がり具合を考慮して元木を4.2m、2番玉を4.6m、3番玉を2mに造材して吊り出し、昼休憩を挟んで伐採材を積み込んで作業を終了しました。