2017年12月

東京都清瀬市 学校建替え現場のケヤキ巨木の買取伐採

平成29年12月27日実施

都内の解体業者様より、清瀬市にある学校の校舎建替え工事に伴い、敷地内にある目通り4mのケヤキ巨木の伐採の依頼がありました。

当初はケヤキを残して校舎を解体して新築するようでしたが、近隣からの落葉のクレームにより工事期間中に撤去してほしいとのことでした。

建替え工事の元請業者はゼネコンであるため木登り等の作業が高所作業車に限定され、空師による樹上作業が一部制限されていました。

解体屋さんが非常に協力的な方で伐採前日に高所作業車で一部枝切りの実施、当日は25tクレーンと22m高所作業車の手配、大型車両通行禁止の通行許可申請等まで準備していただけました。

本日は解体屋さんに手配していただいた機材とともに、枝下ろしの続きより作業を開始しました。

実際のところ、前日の枝切り作業では解体屋さんのチェーンソー故障により全体の2割弱の枝しか切り落とされておらず、ほぼ野木の状態から伐採することになりました。

ケヤキの周辺にある建物は解体するため屋根の上に構わず枝を落としてもよいとのことで、細枝等大方の枝は吊り伐りせずに次々と伐り落としていきました。

枝分かれ部からの太枝は安全のため全てクレーンで吊り伐りし、枝を全て取り払った後はクレーンを可能な限り幹に接近させて全幹状態で吊り伐りしました。

元伐り後、全幹状態を吊り上げたところ重量は10.5tもありましたが、25tクレーンのため問題なく吊り倒しが可能でした。

胴木は枝分かれ部を伐り離して元木を7.2mで造材し、元木重量が8.5tとなったところで待機させていた出荷用トラックを現場に搬入して積込みを開始しました。

大型車両通行禁止の通行許可は車両総重量20t車までの車両でないと通行許可が下りなかったので、一般の運送業者の車両総重量25t車が進入できず、運搬車両の手配には非常に頭を悩まされました。

材の長さと重量から車種が非常に限られた上に、年末ということもあってさらに運送業者の手配が厳しくなり、最終手段としていつもお世話になっている空師さんに協力を依頼しました。

空師さんの大型車は車両総重量20t車で大型規制をクリアして搬入することが可能で、材を最大限のサイズで搬出することも可能となりました。

枝葉等の残材は解体屋さんが処分することになっており、一部の太枝は可能な範囲で引き取ってもらいたいとのことで当社のトラックにはパルプ材を満載しました。

樹齢約100年で目通り4mクラスに早々と生長したがために質が良いとは言い難い木でしたが、ボリュームが大きい木で伐採条件が良い場所であったのでケヤキは買上げして伐採しました。

また、ちょうど該当サイズのケヤキ丸太を探している業者がいるとのことで、注文材に適合する可能性があったので現地直送にて現場より出荷しました。

201712292915.JPG伐採木

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太枝吊り伐り①

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太枝吊り伐り①

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太枝吊り伐り②

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太枝吊り伐り②

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太枝吊り伐り③

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太枝吊り伐り③

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元伐り

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元木吊り上げ

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吊り倒し

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造材

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積込

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出荷

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目通り4mケヤキ伐採記念写真

埼玉県鶴ヶ島市 屋敷裏のスギ2本の人力伐採とソリ搬出

平成29年12月19、20日実施

1ヶ月程前に当社で自宅裏の屋敷林内のヒノキ等を伐採した鶴ヶ島のお客様より、今度は同じ屋敷林内にある樹高約23mと約20mのスギ2本の伐採の依頼がありました。

先日伐採したヒノキ等は建物に近いことから風倒被害を防止する目的で伐採しましたが、それらを伐採したところ林内で1、2番目に高いスギが大きく目立つようになり、これらも伐りたいとのことでした。

ヒノキの樹高はスギ程高くなかったのでギリギリ敷地内に全て倒すことができましたが、スギの樹高は20mを超えており全木の状態ではどの方向にも倒すことができませんでした。

屋敷林は家の裏にあるため大型の重機を搬入することができず、屋敷林に通じる狭い通路では軒下の高さから当社の2tユンボや軽自動車の進入がギリギリでした。

発生材のうち枝葉は林内に残置してもよいとのことでしたが、丸太だけ簡単に動かせないのでどうしても搬出して欲しいとのことでした。

前回はチッパーを丸1日稼働させたほどの枝葉が出ましたが、今回はチッパーを搬入する分の費用対効果が出ないので依頼人様同意の元で破砕作業は見送りました。

林内へ運搬車両を搬入できないことからトラックが待機している庭先まで丸太を集材する必要があり、通路には排水口等の設備があるため材は引き摺らないで欲しいとのことでした。

材を2mにしては利用用途が限られてしまうため4m搬出が必須となり、狭い通路を通過させるために廃ガードレールを利用したソリへ4m材を積載し、ユンボで曳いて庭まで集材することにしました。

19日に再びユンボを搬入し、スギ2本の他に前回伐採しなかったヒノキ3本と幹に傷みがあった細いスギ1本を伐採しました。

まずは樹高約23mのスギから伐採を開始し、足場となる太めの枝が高さ10mを超えており梯子が使用できないので、根元からスパイクで登木しました。

枝まで到達後は足場の分だけ枝を残しつつ伐り落としながら登り、梢端部にロープを掛けて引っ張りながら梢端の5番玉を伐り飛ばしました。

林内は全木状態では伐り倒せないものの、短幹状態であれば伐り落とし放題なので吊るし伐りはしませんでした。

伐倒時の安全のため4番玉も同様に伐り飛ばし、根元から約12mまで伐り詰めてきたところで樹上作業を終了して、残りの幹は伐倒しました。

登木時に幹の長さを測りながら登り、元木から3番玉は4m材が3本取りになるように12m少々をきっちりと残して上部より伐り落としてきました。

スギ伐採後はヒノキ2本は補助なしに伐倒、1本はユンボで引っ張りながら伐倒して午前の作業を終了しました。

午後は樹高約20mのスギを先のスギと全く同じように、上部伐り飛ばし2回と元伐りで伐採し、樹高が低い分3番玉と4番玉を3m材としました。

屋敷林の入口には竹根の越境を防ぐためのブロックが埋設されて段差となっているので、伐採材は屋敷林の入口まで一旦集積しました。

20日は伐採材搬出のみの作業で、前日に集積した材をソリに積載してユンボで庭まで曳き出し、材運搬用トラックに横付けしたユニックで積込んで作業を終了しました。

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伐採木

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樹高20mスギ枝切り

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樹高20mスギ梢端伐り飛ばし

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樹高20mスギ4番玉伐り飛ばし

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樹高20mスギ元伐り

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樹高23mスギ元伐り

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樹高23mスギ元木地曳集材

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樹高23mスギ元木ソリ集材(納屋横通過)

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樹高23mスギ元木ソリ集材(母屋横通過)

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樹高23mスギ元木積込

 

東京都日の出町 境内林のモミ高木の伐採

平成29年12月14、15日実施

青梅市の造園業者様より、日の出町にある寺院の本堂横の境内林にある高さ約33m・目通り7尺のモミ、高さ約25mのヒノキ、サクラ2本の伐採の依頼がありました。

立木が大きくなってしまい、本堂の方へ傾いていることから万が一を考慮して伐採したいとのことでした。

伐採木のモミやヒノキはクレーンの設置高よりも7m程高い位置から生えており、モミ自体の樹高は26m程度でしたがクレーン作業では樹高33mと同じことでした。

現在のところ伐採する予定はないものの、同じ境内林の中にはクレーン設置高から推定して高さ約35mを超えるモミが数本残っていました。

この寺院は日の出町の中でも山間部に位置し、付近の道路や曲り角が狭く、木の高さに対して25t以上のクレーンを搬入することができませんでした。

最大で16tベースのクレーンまでしか搬入できないので35m近い揚程を確保できる20tクレーンを手配し、ジブ2段拡張して可能な限り樹高を越えられるようにしました。

寺院の入口通路には配管類が通っていたので造園屋さんには養生用鉄板を用意していただき、その他にもクレーンが伐採木に極力近付けるように作業位置の石の移動や枝葉処分もお願いしました。

14日は鉄板敷設等の準備も含め、サクラ2本とヒノキの伐採、モミの上部胴切と枝下ろしをしました。

朝、クレーンを搬入する前にまずは鉄板敷設と石移動の下準備作業から開始し、準備完了次第クレーンを作業位置に搬入設置して、最初に斜面手前側のサクラから伐採しました。

サクラを3回で吊り伐りした後、モミ伐採に取り掛かるためにクレーンを伐採木に近付け、想定通りメインブームだけでは梢端まで届かないのでジブ2段拡張で対応しました。

まずは梢端から約10m分を枝付きのまま2回で胴切しました。その後は下部胴切時に枝がクレーン配線類の支障となるため、1本ずつ吊り伐りしました。

ここでモミの下部を胴切をするためにはジブを格納する必要があったので一旦終了し、モミの横にある高さ約25mのヒノキ伐採に移りました。

ヒノキを2回で吊り伐りした後はジブを格納し、モミの胴切にはクレーンをさらに可能な限り伐採木近付ける必要があったので翌日に持ち越して、奥側のサクラ伐採に変更しました。

同時に造園屋さんが枝葉を搬出する都合上、今日中に全ての枝を伐り終えた方が翌日トラックを運用する上で都合がよいとのことで、敢えて残りのモミ伐採を行わずに枝下ろしに専念しました。

奥側のサクラ伐採後は時間が少し余っていたので、斜面上にあった枯れかけていた細いサクラ、大きく傾いたサクラ、梢端部が枯れたスギを全木吊り伐りで伐採しました。

15日は残ったモミ下部の胴切及び元伐り、伐採材の搬出をしました。

モミ材は4m出材が基本のため、立木の状態で長さを測って胴切位置を予め確定することから開始しました。

幹の残存高より3番玉を5m材、2番玉と元木が4m材になるようにそれぞれ測定して胴切をしました。

胴切と元伐りが終了した後、伐採材をトラック1台に全て積込んで当社の作業を終了しました。

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伐採木

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クレーン設置

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梢端(5番玉)吊り下ろし

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枝付き4番玉吊り下ろし

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細枝吊り伐り

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3番玉胴切

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3番玉吊り下ろし

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2番玉吊り下ろし

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元伐り後

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伐採材

 

埼玉県鶴ヶ島市 台風により折損した屋敷林内の風倒ケヤキの伐出

平成29年12月8、9日実施

川越市の造園業者様より、鶴ヶ島市内の個人様屋敷林内にある目通り260cmケヤキの伐採の依頼がありました。

このケヤキは10月29日に通過した台風22号の強風の影響により、地上10m付近の二又から片方が裂けて県道側へ倒れ、下層木と電線に乗った状態で止まっていました。

屋敷林に隣接する県道は比較的交通量の多い一般県道で、電線には先端の細枝が乗っている程度で、幸いにも交通・電力ともに大惨事にならずに済んでいました。

下から見ると又分かれの少し上に大きなサルノコシカケが生えており、二又付近が菌類に侵されて腐朽し、非常に脆くなっていたことがわかりました。

これでは非常に危険な状態なので早急にも撤去したいとのことでしたが、道路使用許可の申請・電線防護管の設置・当社と造園屋さんの都合から依頼より1ヶ月近くお待ちいただいていました。

風倒木の撤去は非常に危険が伴っており、今回のケースでは地上10mから上の太枝が根こそぎ折れて、しかも電線と下層木に掛り木して止まっているという非常に危険度と伐採難度が高い現場でした。

電線より奥に風倒枝があるため道路から高所作業車では作業することができず、屋敷林内へも車両を簡単に搬入することができませんでした。

車両が使えないことから掛り木風倒枝に直接登って枝落としすることは危険極まりなく、高所作業車を接近して作業しても掛り木が外れた瞬間に枝が車両を直撃することは免れない状況でもありました。

通常の方法では伐採できないことから、ラフタークレーンと吊り下げ式のゴンドラで人員2名を吊り下げた状態で枝落としをすることにしました。

クレーンを県道に設置する都合から25tクレーンよりも小さい機種を選定する必要があり、電線を大きく跨ぐことからジブ2段拡張及び油圧チルト機構の付いた小旋回クレーンに限られていました。

電線防護管の最速設置が7日であることから8日着工で予定し、1日目は20tクレーンで風倒ケヤキの全枝落とし、伐採材の搬出路確保及び付随する障害木の除去をしました。

道路使用許可の制約上9時よりクレーンを道路に設置し、ゴンドラに2名が乗り込んで電線より県道側へ迫り出ている枝を可搬サイズで適宜切断しました。

電線に干渉した枝を全て取り払ったあとは下層木に掛り木した枝の除去に取り掛かり、風倒枝に掛かっている複雑な力を見極めながら端から徐々に伐り落しました。

最後の2本の太枝を残す状態まで風倒枝は下に落ちることなく、この状態から二又の裂け目にチェーンソーを入れて風倒枝自体を伐り落としました。

木の繊維が破断して幹に安全な足場を確保できないことから、反対側の無傷の枝も同様に人員を吊り下げた状態で枝を伐り落しました。

電線の裏側にあるヒノキやスギの枝は高所作業車で枝打ちできないので、防護管があるうちにゴンドラで回り込んで枝下ろしして欲しいとのことでした。

このほか余った時間で屋敷林の入口付近にあった太めのヒノキ2本を別途で売ってもらい、クレーンで3番玉より上を胴切して翌日伐倒するようにしました。

2日目はケヤキと別途で売ってもらったヒノキ2本の伐倒、伐採材の搬出をしました。

まずは、ヒノキ2本を伐倒しました。1本は少なくとも穴が出ることが分かっていましたが、2本とも元木の約1mが穴開きでした。

次にケヤキの伐倒に取り掛かり、風倒の影響で幹には大きな胴割れが発生しており、そのまま伐倒すると着地の衝撃で全幹胴割れを起こしかねない状態でした。

更なる胴割れを防ぐために地上7m付近にチェンブロックを取り付けて幹を締め上げ、伐倒方向には伐採したヒノキの枝葉を敷き詰めてクッションにして衝撃緩和に努めました。

伐倒着地は成功して胴割れの広がりは無く、元木は5m、2番玉は4mで造材しましたが、ヒノキと同様に元木には土壌由来の腐れが少し出ていました。

また、造材したところ胴木に落雷の痕跡が見つかり、受雷で二又が弱っていたところにサルノコシカケが寄生し、腐朽していったことで今回の風倒が起きたことがわかりました。

ケヤキ伐採材はユンボで道路まで約20mを地曳きで集材してユニックで積込み、パルプ材やヒノキ伐採材とともにトラック3台で搬出して作業を終了しました。

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伐採木

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又裂け状況

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電線掛り枝切除

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太枝切除

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無傷側太枝伐り落とし

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別売ヒノキ伐倒

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ケヤキ伐倒

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2番玉地曳き集材

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元木地曳き集材

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積込