令和3年2月18日実施
市内の材木店様の紹介により、その方のご近所にお住まいのお客様の自宅屋敷裏にある目通り290㎝のケヤキの伐採の依頼がありました。
ご近所への落ち葉の配慮や、ケヤキのすぐ後ろには交通量の多い主要県道と交差点が通っているため、万が一の落下枝や倒木を危惧して伐採することになりました。
2019年夏に一度ご依頼をいただいておりましたが依頼人様側の諸事情により一旦白紙となり、この度伐採計画が持ち上がり2月中指定で伐採して欲しいとのことでした。
この界隈では開発が進んで高木の樹木がかなり減り、目立つ優良なケヤキはまず無くなっており、このケヤキが最後だと当社の知り合い数名も言っているような状況でした。
10年程前に最初の強剪定を実施しており萌芽枝が多く生い茂る状態となっていましたが、幸いにも枝下高8mの幹は節一つ無い無傷の状態で残っていました。
枝下ろしをした業者様が幹の価値を損なわないように上手く剪定しており、立地状況からも樹幹内の様々な要因による穴の可能性が低いことを予測していました。
根元から7m少々上で多少曲がっているものの7m材が無傷ほぼ曲がり無しで採れるため、また当社から近いということもあってケヤキの価値が伐採費を上回っていました。
伐採搬出条件はかなり悪い方でしたがそれでもケヤキの価値が大きかったので、依頼人様に伐採費用をご負担いただくことなく伐採することが可能でした。
ケヤキは常口横の母屋脇を入った裏庭の敷地の隅っこに立っており、隅っこの目と鼻の先は県道との交差点となっていました。
母屋脇の通路は決して広くなく、常口から急に曲がる必要や軒先の出っ張りやその高さからミニラフターしか進入することができす、ケヤキ周辺の常緑樹等は可能な限り残して欲しいとのことでした。
障害木を除去できないことでケヤキに最大限接近することができず、進入路の状況からもミニラフターしか使用できないので、厳しい伐出作業になることを予想していました。
伐採にはかなり非力なものの13tクレーンを使用し、厳しい条件のために伐採1日、搬出半日の合計1.5日予定の工期としました。
母屋脇へ進入するために各種敷板を敷設してクレーンを搬入・設置し、樹高が比較的高いためジブ2段拡張して作業を開始しました。
一度枝下ろしをしている影響で以前残した太枝の至るところから萌芽枝が多数繁茂しているため、1本1本全て伐り下ろす必要がありました。
萌芽枝の除去に午前中一杯かかり、伐り下ろした萌芽枝のうち細枝は裏庭で粉砕してケヤキ直下の地盤が低い場所に散布し、太めの枝は無料頒布用の薪材として搬出しました。
午後は可能な限りクレーンをケヤキに寄せて太枝3本、2番玉の胴切、元木7m材を伐採し、元木以外の伐採材は積み込んで当日中に搬出しました。