令和元年10月9日実施
府中市のお客様より、自宅敷地内の庭にある目通り310㎝のケヤキ大木の伐採の依頼がありました。
シンボルツリーとして大切に残されていたケヤキでしたが、近年の台風による枯れ枝の落下や、つい先日の台風15号で幹の途中に生えていた大きめの萌芽枝が落下したことで伐採を決意されました。
現場はすぐ近くに駅があり、周辺にはアパートが立ち並ぶ住宅街の中にあって道路や曲がり角が狭く、大型車両が進入できる環境ではありませんでした。
ケヤキは常口から入って多少奥の植え込みの中に立っており、現状ではクレーンを木に接近させて作業することができず、周辺の道路環境から敷地内へはミニラフターしか現地へ搬入することができませんでした。
隣地のアパート駐車場のうち依頼人様敷地と面している3面をお借りすることができ、そこへ当社の運搬用トラックが街道からギリギリ進入して来られることが分かっていたので、搬出は駐車場側より行うことにしました。
クレーンも駐車場から作業することが可能でしたが、庭から作業するより木から離れてしまうことや、クレーンが駐車場に入るとトラックは道路への駐車となってしまうことから作業は庭から行うことにしました。
目通り3mクラスのケヤキを材として伐採するためにはクレーンを木に近づける必要があり、一部植木を撤去の上で厚ベニヤを敷いて植え込み中へ13tクレーンを搬入しました。
アパート側半面の枝は枯れているものが多く、伐採中に落下してフェンスを潰してしまわないように先に枯れ枝から取り除きました。
枯れ枝除去後は又上からの枝を丸ごと吊り伐りして太枝は3回で取り払い、幹の傷み具合を観察の上で元木を3m、2番玉を4mで胴切するように検地しました。
検地の結果により3番玉を胴切して吊り下ろし、又上からの侵食が3番玉側では取り切れずに2番玉側にも入り込んでいました。
その後も検地の通りに2番玉を4m材、元木を3m材として伐採し、昼までには伐採が終了して午後からはクレーンを駐車場に近い位置へ移動し、伐採材の積込を行いました。
伐採材は大木のため短幹材でも重量があるので、伐採してから積み込むまでにクレーンとともに少なくとも1回は移動しました。
クレーンの設置位置が本来は植え込みの中であり、地盤が非常に柔らかいため使い捨てのつもりで用意した40㎜位の合板が最後にはバラバラになってしまうほどでした。
このケヤキは根張りが大きいゆえに根元が入皮となっており、アパート側の枝が過度な枝下ろしによって腐食が又下の樹幹部まで大きく侵食されていました。
枝下9mが真っ直ぐで立派なケヤキでしたが物理的に9m材での伐出はほぼ不可能であり、前記の欠点により有効に使える部分が2番玉の4m材しかないことが予め予想されていました。
依頼人様は作業費用相殺での伐採を希望されていましたが、枝葉の処分も環境的に当社で行う必要があったため、最終的にはクレーン代のみを頂いて作業させていただきました。