平成31年4月18日実施
当社HPをご覧になった富士見市のお客様より、自宅屋敷内の蔵の脇にあるカシ2本等の伐採の依頼がありました。
昨年の台風24号によりご近所で倒木が発生し、今後の台風等で万が一ご自分の家にある立木も倒れてしまうと蔵を壊したり、隣接する工務店様の作業場に迷惑が掛かることから伐採等することになりました。
カシ2本の枝が蔵の屋根に干渉して瓦を動かしてしまっているため、当初は2本を優先的に伐採したいとのことでしたが可能であれば隣のエノキ1株3本にも手を入れたいとのことでした。
数年前にカシだけ蔵に干渉した枝のみを伐ってもらったそうですが、木口付近から萌芽した枝が再び屋根に干渉するようになってしまいました。
蔵と反対の方向にはエノキが立っているためカシの枝は蔵の方向へ伸び、今回枝下ろししても数年後にまた枝下ろししなければならないので根元から伐ってしまいたいとのことでした。
現場は水田の広がる地域の中に立地しており、伐採木は敷地と水田側に隣接する屋敷の奥にあって、水害対策のために盛土された塚の土留めとなっている木々でした。
現場周辺の市道は農道を広く整備した道路で大型車は通行できるものの、現場の常口に接する市道は水田脇の農道を舗装した狭い道路であるため幅広車や重量車の通行は不可能でした。
数年前に2軒裏のお宅で当社が伐採した際、水田地域のため公道でさえ路盤が弱く25tクレーンが通行した際に水道管が破損して漏水した経験がありました。
路盤状況が悪いほか、曲り角と常口が狭くて現状では25tクレーンが進入できないため16tクレーンを手配し、水道管が通っている上には簡易養生として厚ベニヤを敷くことにしました。
エノキも伐採の意向がありましたが16tクレーンでの作業となるため、カシや他の植木の伐採を考慮すると1日のうちに伐採できないので可能な範囲で枝下ろしすることにしました。
エノキは3本の木が同じ位置から生えているので根元は大きな株になっており、ちょうど法面の上にあって根元から伐採すると盛土の早期侵食に繋がることから、当初から枝下ろしで勧めていました。
発生材のうち枝葉の処分方法は現段階では検討中として蔵の脇に残置し、幹は小さく切ったとしても後の移動が大変なため引き取って欲しいとのことでした。
車庫と蔵を跨いで常時作業半径20m超えの立木を伐採するので、揚程、作業能力、作業半径を確保するために16tクレーンの1段限りのジブを拡張して作業を開始しました。
まずはカシの枝下ろしから開始し、作業能力が十分に確保できていないため数回に分けて伐り下ろし、屋根に干渉していない枝は吊り伐りせずに伐り落としました。
カシの枝下ろしが開始30分程で終了したためエノキの枝下ろしに移り、作業能力はともかく最遠の枝にクレーンがギリギリ届いたため、エノキは3本とも枝下ろしすることにしました。
エノキの最遠部の枝で作業半径が約27mで確保できた作業能力は僅かでしたが、エノキは軽いので僅かな能力の範囲内でも十分に吊り伐りすることが可能でした。
枝下ろしする時期としては既に遅いため、可能な限り細枝や新芽が生えている上側で伐採するようにして、さらに萌芽した枝が今後蔵へ干渉しない高さで調整しました。
エノキの枝下ろし終了後、残った細いカシ1本を2分割、全幹状態になっているカシは3分割に胴切して伐採し、昼までにカシ2本の伐採とエノキ3本の枝下ろしを終了しました。
午後はホンサカキ、ビワ、ミズキ等の剪定や庭の枯れたり要らなくなったりした植木の伐採、伐採材の積込みをしました。
通常伐採材を運搬するトラックやユニック車では常口が狭くて現場内に進入できないため、車体の短いダンプで搬出して作業を終了しました。