令和元年12月8日実施
当社が利用しているラフタークレーンリース会社の社長様を経由して、そのお客様の造園業者様より青梅市内でケヤキを3本伐採するので伐採材を処分してほしいとの依頼がありました。
材を確認するために住所から現物を確認したところ、伐採の依頼人様は当社の知り合いであり、製材の方で付き合いのある当社のお客様でもありました。
伐採するケヤキ3本のうち1本が非常に希少価値の高いケヤキで、そのようなことを関係者の方々は知る由もなく、ゴミ同然の扱いで伐採されようとしていました。
このケヤキは目通りが200㎝で枝下は13m、全幹で14mもあり、根元から10m位の位置で多少は曲がっているもののこのような12m以上を無傷で採れる材は非常に珍しいものでした。
また、目通り2mクラスに対して比較的ゆっくり育っている木のため、根元から枝下まで太さが大きく変化していない点からも非常に希少な材でありました。
特殊条件な材のため、このまま長材で伐り倒して搬出しなくては木にとって不名誉なことであるので、当社では100%生かして伐採するようにクレーン屋さんと造園業者様側にお願いしました。
しかし、立地条件が悪くて20tクレーンでは全幹吊り倒しは不可能とのことで、両者ともに長尺材での伐採はできないと断られました。
このケヤキを2分割ないし3分割にされる姿を目の当たりにしたくないため、関係者全員を説得して伐採権を移譲してもらい、当社で伐採搬出費用を全額負担の上で作業させていただくことが可能となりました。
以前に別の業者が鉄板を敷いてフルサイズの35tクレーンを搬入していることを知っていたので25tクレーンでの作業も可能でしたが、路盤を完全に養生する必要があるため小さいクレーンで伐採することにしました。
紹介者のクレーン屋さんは25tクレーンでも厳しいとのことでしたので、メインで利用しているクレーン屋さんに依頼して16tクレーンと12tクレーンの2台を搬入して作業することにしました。
また、伐採材を後日トレーラーに積み替えるまで当社貯木場で保管するため、クレーン屋さんの運送部門にもご協力いただいて事前に長尺材運搬へ備えた車両も手配しました。
現場内へトレーラーを搬入して積み込むことは物理的に可能でしたが、アスファルトの陥没防止や配車予定日の雨天中止によるキャンセルを避けるために、伐採日と出荷日は余裕を持たせて別々に設定しました。
伐出作業はクレーン2台と運搬車両を確実に揃えるために、関係者各位に日曜日での作業に対応していただきました。
当日は朝より16tクレーン、12tクレーン、運搬車両を3台同時に現地へ手配し、厚ベニヤを敷いてアスファルト面を養生し、クレーンと車両を設置しました。
伐採予定のケヤキ3本のうち2本は11月中に造園業者様が伐採しており、その際に長尺ケヤキの枝も全て除去してもらっており当社が伐採する際には廃棄物が一切出ないようにしていただいていました。
クレーン設置完了後、全幹吊り伐りするために幹上部へ玉掛けをして、そのまま元伐りを行って伐採は終了しました。
長尺材を16tクレーンで吊り倒していくには作業能力と吊り倒すスペースが足りないため、ここで奥に待機していた12tクレーンが吊り倒しに合流して16tクレーンをサポートし、空中で長尺材を吊り倒しました。
伐採材はここで造材等する必要がないので、一回も地面に下ろすことなくそのままの状態で運搬車両へ積み込みました。
ここまでの作業は1時間半掛からずに終了し、当社貯木場でもクレーンで荷下ろしするために10時前には全車貯木場へ向けて現場を出発しました。
16tクレーンと12tクレーン2台での荷役作業ですが実際のところ伐採材の重量は3.5tしかなく、今後出荷の際は当社のフォークリフトでもトレーラーへの積込が十分可能な重量でした。
出荷するまでの間、当社貯木場にて丸太置場3列分を潰して展示しています。材の使用用途は丸桁用材となる見込みです。
先月より取り掛かっているメガソーラー発電所関連の伐採は、追加工事や急傾斜地での作業難航により完工まで95%程となっているものの、完全には作業が終了していません。
10月からは雨天時のみを作業休業として日曜祝日もフル稼働しておりますが、ご依頼が昨年の台風被害時よりも多く、作業が追いついていない状況です。
今回の伐採では伐採材を出荷する相手先の都合、出荷する際の原木運搬専用トレーラーの手配の都合上、先約が完工する前の急遽割り込みで実施することとなりました。
~出荷~
12月14日夕方、トレーラーチャーター便にてほかの当社伐採材等を積み込んで出荷しました。超長尺ケヤキは搬入時には14.8mありましたが、造材後の出荷時の長さは約13mになりました。