施工事例

埼玉県さいたま市桜区 古墳墳丘上の樹木の伐採(1)

平成29年10月24日実施

川口市の不動産業者様より、さいたま市桜区にある不動産屋さんのお客様個人所有の古墳地内にある樹木の伐採の依頼がありました。

カラスの営巣や落葉による近隣への迷惑、台風での倒木被害の未然防止の観点からこの機会に伐採したいとのことでした。

現場周囲は南・西側を1戸建住宅、北側は3階建マンション、東側は駐車場に囲まれ、公道に一切接道していない孤立した地所でした。

高木の枝下ろしや芯止め、皆伐の案がありましたが墳丘保護や地目課税の面から全ての樹木は伐採せず、一部の低木類は残して高木類を全て伐採することを当社で提案しました。

また、伐採材は放火等の防犯上から全て搬出して欲しいとのことでしたが、特に枝葉を搬出するためには工期が長くなるので、現場内で破砕処理してもよいことになりました。

幸いなことに古墳に隣接する駐車場2面は古墳と同様の所有者で、伐採期間中は全面使用させていただくことが可能となりました。

このほかに、現場のすぐ向かいにあるスイミングスクールの駐車場も古墳と同様の所有者で、隣接駐車場の車両移動先や工事車両の通り抜けなどのご協力もいただきました。

土日はスイミングスクールへの車両移動ができないため、工事は平日のみでなるべく短期間で施工して欲しいとのことでした。

不動産屋さんには市へ文化財区域の伐採等制約の確認、近隣住民への説明・挨拶回り等、駐車場使用者への車両移動勧告・移動先の交渉等多大なご協力をいただきました。

伐採対象木のうち、当現場で便宜上高木類に分類した立木はケヤキ2本、エノキ2本、シュリザクラ2本、コナラ2本、クヌギ4本、シデ1本、エゴノキ1本、ユズリハ1本の15本でした。

台風の影響により1日遅れの本日から着工し、初日は13tクレーンを搬入してまずは広い駐車場の方にクレーンを設置し、駐車場側の立木から可能な範囲で伐採することにしました。

最初は墳丘手前側にあるエノキ2本とシデから伐採を開始し、3本とも中径木の部類で全木吊り伐りが可能であったので、丸吊りして伐り倒しました。

中径木3本の伐採後はコナラの伐採に取り掛かり、コナラとクレーンとの距離が大きいので枝と太枝4回で伐り下ろしてから元伐りをしました。

枝を全て取り払って元木を4m材の状態までにして吊り伐りしたところ、重量が1.2tで立木との位置関係上クレーンの作業能力が限界でした。

午前の作業で広い駐車場から13tクレーンで伐採可能な立木を全て伐り終えたので、午後は狭い駐車場の方へクレーンを移動してクヌギ群生3本の伐採に取り掛かりました。

伐採1本目のクヌギはクレーンに最も近く、3本のうち一番小さく枝が少なかったので、全木吊り伐りして伐り倒しました。

2本目のクヌギは枝を付けたまま高さ8mで3番玉を胴切し、8m材の状態で元伐りして吊り倒しました。

3本目のクヌギはクレーンとの距離が一番遠く、一番大きい木であったので枝を1本ずつ伐り下ろしてから胴木を伐採しました。

ここまでの伐採作業は15時前までに終了し、休憩を挟んで伐採材の積込を開始してナラ材は全て積み込んで搬出しました。

エゴノキとユズリハとクヌギ1本は小径木の部類で樹高が低く、倒すスペースがあったのでそのまま伐倒し、伐採木15本中10本の伐採を完了しました。

伐採2日目はクレーン機種を25tへ変更、伐採班と片付破砕班の2組を編成して2日分の作業を1日で施工します。

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伐採現場(円墳古墳)

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コナラ枝吊り伐り

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コナラ太枝吊り伐り

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コナラ元伐り

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クヌギ1本目全木吊り倒し

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クヌギ2本目3番玉胴切

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クヌギ3本目枝吊り伐り

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クヌギ3本目元伐り

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ナラ材搬出