平成28年9月30日実施
9月は天候不良とブログに掲載するような特殊伐採が非常に少ない月でした。
久しぶりの更新は久しぶりの人力伐採の記事です。
当社HPをご覧になった都内にお住まいのお客様より、富士見市内にある貸家の中庭にある目通り180cmのエノキの伐採の依頼がありました。
40年くらい前に勝手に生えた苗を、以前貸家に住んでいた住人が育ててしまったようで、今では2階屋の高さほどまで生長していました。
近所からのクレームで依頼人様が枝が伸びては伐るという繰り返しで、太枝と幹はもちろんのこと素人では伐れないとのことでした。
枝下ろしする前は3階程の高さがあったそうで、依頼人様は木ネジや太いクギを打ち込んで木に登っていました。
お見積りにお伺いした際には既に枝下ろしを独自で行った後で、その伐った枝も含めて幹を伐採搬出処分して欲しいという依頼でした。
現場は2t車がなんとか進入できる住宅街の奥にあり、エノキはさらに貸家の奥の中庭にあって重機等が一切使うことができない状況でした。
エノキまで行くためには貸家と隣家の間にある幅1m程の通路を通り、枝葉や幹を搬出する際はその通路を通る必要がありました。
幸いなことに中庭には多少のスペースがあったので、隣家に隣接している太枝はロープを使って吊るし切りをし、他の太枝は可能な限りは伐り落としました。
幹の上部は大きめに伐り落としてから円盤状に細かく伐り、元木は立っている状態から円盤状に伐り落としました。
木を枯らすため、なるべく地面に近いところで伐って欲しいとのことでしたので、エノキでは無駄な程に真っ平らで綺麗に元木を伐り出しました。
根張りが結構大きかったので輪切りは縦約90cm・横約150cmもあって、70cmのチェーンソーで裏表とも食い違いなく大変綺麗に伐れましたが、搬出処分の都合上伐り出した直後に裁断してしまいました。
幹をチップ材等として搬出することは費用面で大変難しく、現地に置いておくことは望ましくないとのことで、幹の搬出処分費用をご負担いただいた上で搬出しました。
発生材は狭い通路を通って枝葉は人力で引き摺り、幹は細切れにして一輪車に載せて道路際まで何往復もして搬出しました。
幹を伐った直後には内部から水が湧き出してポタポタと垂れるほど水分が豊富で、幹の太いところは厚さ10cm以下の輪切りにしないと持てないくらいの重量でした。
今回のように伐採と搬出の両面において重機が一切使えない現場は当社の作業としてはかなり珍しい方で、久しぶりの全人力作業でした。
人力搬出のため幹を細切れにして搬出せざるを得ない場合は全て廃棄物となってしまうので、お客様には幹処分に要する高額な費用を負担していただくことになってしまいます。
当社では最低限幹を材として利用できるように伐出可能であれば幹を無償で引き取りできるので、処分費用等を大きく抑えることをできるのが一般の伐採業者との大きな違いです。