平成28年5月20日実施
奥多摩町農大演習林での沢グルミ伐出の続き記事です。
本日は昨日に引き続き、架線本線と巻上索を架設しました。
循環索を昨日に仮張りしてあるので、それを利用して本線を張り、搬器を取り付けてエンドレスを完成したのち巻上索を張りました。
集材機は作業前の点検で始動等に問題はなかったものの、設置して使用してみるとドラムへの動力伝達が悪く、十分に性能が発揮できていませんでした。
この状況であると、太めの元木4m材の搬出が非常に困難であるという結論に至り、原因を特定してすぐさま処置をしなければならないという大きなトラブルが発生しました。
集材機は長期間使われていないこと、変速機の入りがあまり良くないことからクラッチの不具合を第一に考えたところ、どうやらクラッチが滑っているようであるとわかりました。
プロが頻繁に使用する機械であるとクラッチの摩耗が疑われますが、あまり使われていない機械であるため摩耗の可能性はほとんど考えていませんでした。
集材機メーカーに問い合わせて症状を伝えたところ、クラッチの不具合を言われましたが調整で改善する可能性があるとの回答がありました。
20年以上前の機械にも関わらず調整方法を丁寧に教えていただき、それに基づいて地道に対処したところ本来の性能を取り戻すことができました。
修復している間、本線を緊張させるために6本掛け滑車2台と4人の人力に最後はチルホールで、循環索はチルホールのみで緊張させました。
その他調整、試運転等を重ねて予定よりも3時間程遅れてエンドレスタイラー式による、本伐出作業のメイン作業に取り掛かりました。
林内での荷掛、線下までの木寄せ、集材機操作、荷外しを4人の山師さんがそれぞれ担当し、当社では荷外し後の木寄せと土場までの運材を担当しました。
沢グルミは比重が小さく、国産材ではキリに次ぐくらいに軽い材のため、架線の規模が小型ながら4m元木や短幹2本同時の集材が可能でした。
架線始動後、作業可能な約1時間の間に短幹材6本を集材して本日の作業を終了し、残りの材搬出と架線撤収を23日に行って全ての作業を終了します。