令和4年3月15、16日実施
富士見市の土木会社様より、同市内にお住まいのお客様の自宅屋敷裏にある目通り380㎝のケヤキ大木の伐採の依頼がありました。
以前の落下枝による母屋の屋根破損や大量の落葉による悩み、境界外に幹自体が大きくはみ出していることから伐採したいとのことでした。
20年程前に一度枝下ろしをしたことにより施工後数年間はよかったものの、時間が経つにつれてかえって枝が増えてしまい、建物があって簡単に伐採することができない状況になっていました。
また、以前は依頼人様の敷地内で収まっていたものが、肥大生長により現在では根元が裏の土地へ大きく越境してしまい、同時に根元にあった境界杭も行方不明になっているとのことでした。
伐採後は抜根し、測量して境界画定と境界杭の新規打設を実施するとのことで、まずは伐採してから工事を進めていくとのことでした。
当初は2020年梅雨時期にご依頼をいただき、同年11月に実施予定でしたが依頼人様の諸事情により着工前に突然の延期となり、先月に再度計画が持ち上がりました。
伐採時期の関係やケヤキ相場の不透明さから3月一杯までの期間指定条件で再度正式にご依頼をいただき、2020年時よりケヤキ買取値引額が下がってしまいましたが着工することになりました。
街道から中庭へ通じる常口通路は当社の原木運搬車が進入可能な舗装路となっており、中庭と更地部を合わせるとかなり広い作業スペースを確保できていました。
しかしながら、ケヤキは母屋と納屋の間の狭い通路を入った敷地奥の母屋の脇に立っていました。
母屋と納屋は軒先と同じ高さの複数の電線で繋がっており、その間は狭くて大型のクレーンを搬入することができず、ミニラフターや2tダンプが通過することが一杯な状況となっていました。
中庭に25tクレーンを搬入したとしても枝しか吊り伐ることができず、巨木クラスに近いこの大木伐採には非常に非力ながらもミニラフターしか使用することができませんでした。
ミニラフターでは長材で伐出することができず、中庭へは大型ロング車も進入できないため、出来なりで伐採して搬出せざるを得ませんでした。
作業工程は大まかに枝下ろしで1日、太枝~根元伐採で1日、胴木搬出で1日と概ね3日の工期を要するため、伐採費用の方が買取額を圧倒的に上回っている状況でした。
伐採には13tクレーンを搬入し、初日の最初は中庭にクレーンを設置してジブ2段拡張してから可能な範囲で枝を伐り下ろし、その後は母屋脇へクレーンを移動して残りの枝を伐り下ろしました。
初日で萌芽枝等の細枝全てと一部の太枝を伐採して、細枝は現地でチップ化した上でダンプへ積み込み、太めの萌芽枝は薪材として確保しました。
2日目は初日に残した太枝の伐採と、それら伐採材の積込搬出をしました。午前で太枝処理の作業が終了し、胴木伐採時のフォーメーションと異なるため2番玉を胴切せずに午前で2日目の作業を終了しました。
翌日の最終日は13tクレーン及びオペレーターを入れ替え、さらに補機として13tクレーンもう1台を手配して胴木伐出を行います。