施工事例

埼玉県所沢市 屋敷林の皆伐

令和元年10月13日着工、30日完工

所沢市のお客様より、自宅屋敷内の母屋裏に広がっている1300㎡程度の屋敷林の皆伐の依頼がありました。

9月9日に通過した台風15号の強風の影響で、屋敷林に隣接している運送会社の営業所に枯れ枝が落下し、駐車していたトラックが破損してしまったことで伐採することを決断しました。

昨年に首都圏で猛威を振るった台風24号やそれ以外の台風の際にも枝が落下して、度々トラックを破損させてしまっていたそうです。

トラックの破損度合いが大きい際は依頼人様側で修理代の実費補償をしており、運送会社の方からも落下枝に対するクレームも入っていました。

屋敷林の広さは簡単な測量の結果で東西に約35m、南北に約40m、蔵などの建物を除いてもL字型の山林1300㎡程度で、中径木以上の樹木のほとんどは樹高20mを超えており、屋敷林全体に孟宗竹が繁茂していました。

小径木を除いた伐採対象の樹種は多い順にケヤキ、カシで8割以上を占めており、目通り220㎝と190㎝のスギ2本、目通り180㎝のイチョウ1本もありました。

大径木は目通り280㎝、枝下11mのケヤキと目通り260㎝のカシがそれぞれ1本ずつあり、これ以外で目通り200㎝超えの大径木は10本近くありました。

山林の幅が狭く、山林内には電線、蔵、廃屋、井戸と水屋、祠が2宇あって、中木以上は伐り倒すことができませんでした。

伐採材は基本的に搬出処分して山林跡地に残さないで欲しいとのことでしたが、枝葉や竹は林内でチップ化して粉砕物は散布整地してもよいとのことでした。

見積の金額次第で常口からずっと奥へ入った庭の方にあるカシ4本とカキ1本も伐採したいとのことで、予算の範囲内であったことからこれらも伐採することになりました。

伐採工程は林内の竹や小径木伐採とチップ作業で2日、屋敷林内の樹木と庭の樹木のクレーン伐採及び伐採材搬出とチップ作業で9日、合計11日の予定で見積して作業させていただくことなりました。

このほかに伐採依頼が多数入っており、雨天時と休日を休業しては到底依頼を処理できないため、雨天時のみ休業として日曜祝日もフル稼働することにしました。

13日日曜より鉄板敷設用フォークリフトやユンボの回送、養生用5×10敷鉄板10枚の運搬及び敷設をしました。

県道から依頼人様屋敷内へ通じる私道の舗装幅が2.4m程度しかなく、ラフターや大型車が進入できないので常口付近を敷鉄板10枚で道路拡張と舗装面の養生をしました。

14日と16日は別の現場での作業が入っていたのでそちらを優先し、15日と17日で竹と小径木の処理をしました。

18日は雨天で休業にして、19日より12tクレーンを搬入して本格的に伐採を開始しました。19日は常口通路側のケヤキやイチョウを伐採しました。

ここで、当初はクレーン伐採をミニラフターで5日、25tラフラーで4日を予定していましたが、クレーン屋さんより作業期間中に25tラフターの手配が難しいとの通達がありました。

依頼人様の私道からと屋敷林と運送会社営業所との間にある隣人様の私道上からクレーンで挟み撃ちにする予定でしたが、スギ高木やケヤキとカシの大径木は25tクレーン以上でないと届きませんでした。

配車上ミニラフターしか使えないことから、竹の根が多数ある林内の局所的にチップを厚く散布して整地し、ミニラフターを林内へ進入させて伐採木の近くまで接近させることにしました。

20日以降は全てミニラフターを林内に進入させてジブ2段拡張して作業しました。20日は目通り280㎝ケヤキの枝下ろし、目通り220㎝スギの伐採等をしました。

21日は目通り260㎝カシの枝下ろし、目通り190㎝スギの伐採やその他数本の中径木の伐採をしました。

22日は雨天で休業し、23日は運送会社へ迷惑をかけているケヤキ等7本の伐採をしました。24日も引き続き運送会社側の樹木の伐採を行い、2日間で迷惑をかけていた樹木の伐採を完了しました。

25日は大雨のため休業し、26日は林内が泥濘っていたのでこちらでの作業を見合わせて、庭の方のカシや植木等の伐採を行いました。

27日からは当初25tラフターで伐採予定であった母屋裏のカシ4本とサクラ1本の伐採に取り掛かりました。

4本あるカシのうち1本目の枝下ろしの終盤に差し掛かったところ、高さ10m付近にスズメバチの巣があってなす術なく襲われ作業が中断しました。

クレーンのフックで体当たりして巣を叩き落したり、殺虫剤と塗り薬を購入したりして応急処置とハチの撃退をして何とか作業を再開しました。

この日のうちにカシ4本とサクラ1本は枝無しの棒立ち状態にして作業を終了し、28日の午前中に胴木は全て胴切してから根元まで伐採しました。

午後は棒立ちの状態にしておいた目通り260㎝カシと目通り280㎝ケヤキの胴木伐採をしました。

この現場では枝下ろしした樹木は基本的に伐倒可能でしたが、受け口を作った際の木端もチップ化する必要や伐採材を長く採りたいことから、小径木と目通り280㎝ケヤキを除いては幹も全て吊り伐りしました。

28日で全ての伐採が終了して29日は雨天で休業とし、30日は目通り280㎝ケヤキ等の伐採材をミニラフターで積込みをしたり、林内の整地等の仕上げ作業を行いました。

夕方には帰り荷として敷鉄板とフォークリフト、ユンボも回収して予定通りの日数で作業を完了して全工程を終了しました。

チッパーもほぼ毎日フル稼働し、竹や枝葉の物凄い量のチップが山林全体に平均で10㎝近くの厚さで散布整地され、草の抑制や発生材の搬出処分費用を大幅に抑えることができました。

伐採材原木丸太、チップ用パルプ材等の総量で100t近い伐採材は全て当社が無償で引き取り、屋敷林は伐根残しのほぼ更地状態となりました。

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目通り280㎝ケヤキ伐採木

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太枝吊り伐り(10/20)

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枝吊り伐り(10/20)

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太枝胴切(10/20)

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胴木伐倒前(10/28)

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受け口伐り(10/28)

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伐倒(10/28)

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元木引き摺り出し(10/30)

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元木伐採材(10/30)

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2番玉積込(10/30)

来週よりメガソーラー発電所建設に伴う取付道路作設において、約9000㎡の山林帯状皆伐作業を実施する予定です。

当初は11月1日より着工ということでこの屋敷林伐採を急ぎましたが、許可の関係で最速11月5日以降にずれ込んでいるようです。