平成30年9月13日実施
川越市の建設会社様より、所沢市にお住まいの親戚の方の自宅屋敷内にあるヒノキが台風で折れて倒れ掛かっているとの連絡がありました。
先日4日に通過した台風21号の強風により、屋敷内にある土蔵の南側に立っていたヒノキ1本が根元付近で裂けて隣のヒノキにもたれ掛かっていました。
風倒木は幹内部がすでに腐っていましたが、幸いなことに隣のヒノキに支えられる形で止まり、幹の外側は腐っていなかったので捩じり切れずに台風通過後一週間以上も耐えていました。
また、もたれ掛かられた木もヒノキであったことが一週間耐えられた一因であり、土蔵直撃という大惨事は免れられました。
これらのヒノキはこの土蔵を風から守るための防風林として先祖が植えたもので、現在では老木化と土壌環境から樹幹の痛みが発生して強風への耐久性が落ちていました。
風倒木の他、土蔵の西側にあるヒノキ並木にある1本が以前に落雷被害に遭っているとのことで、同時に伐採して欲しいとのことでした。
落雷被害木の周辺にある太めのヒノキ3本も今後の倒木被害や落雷を考慮して、同時に伐採しても良いとのことでした。
落雷被害木が目通り165cmで、他のヒノキの目通りが210cm、135cm、120cmとヒノキとしては大きい部類に入ることから買取させていただき、クレーン代や消費税等を値引きさせていただきました。
10日に最初のご連絡をいただき、緊急性の高い案件であったため当日中にお伺いして確認し、当社の予定を変更してクレーンの予約上最速である13日に伐採することにしました。
伐採には12tクレーンを搬入し、最初に土蔵南側の風倒ヒノキから伐採を開始しました。
風倒木には複雑な力が掛かっており、枝切り等の樹上作業が一切できないため全木状態で吊り伐りする必要があることから、畑に厚ベニヤを敷いてクレーンを伐採木に可能な限り近づけました。
全木吊り伐りして処理後、西側にあるヒノキ1本が不自然に傾いており、手で揺らしたところ大きく揺れたので危険と判断して依頼人様に伝えて即伐採しました。
南側での風倒木処理作業が終了し、次に買取したヒノキ4本を伐採するためにクレーンを移動して屋敷の常口に設置しました。
これらのヒノキは樹高が20m近くあり、材は両側を垣根で挟まれた幅3.5mの道に吊り下ろす必要があったので、樹冠部を1回または2回に分けて胴切して伐り下ろしました。
買取している木のため4本とも幹を全て測り、出荷する元木と2番玉は元腐れや曲り具合、節等の欠点を全て考慮して確実に必要な長さ以上を確保して3番玉以上を胴切しました。
樹冠部を全て伐り下ろし、下から8~11mで残した元木と2番玉は元木の穴の開き具合で造材するため、長材のまま吊り倒しました。
土蔵に一番近い位置に立っていた目通り120cmヒノキ以外は元腐れ等の無い無傷で、地木ヒノキの油気の強く良いヒノキ材が採れました。
目通り135cmヒノキが元木で4m×34cm、目通り165cmヒノキが元木で4m×38cm、目通り210cmヒノキが元木で4m×46cm、目通り120cmヒノキが元木で4m×34cmの採寸となりました。
時間が余ったためあと1本伐採しても良いと提案しましたが、防風林として他の木は残したいとのことでしたので、西側の茶畑に垂れ下がった残存木の枝剪定をして作業を終了しました。
枝は依頼人様が薪に使ったり、細い枝葉は燃やして灰を畑の肥料に利用するとのことで垣根の内側に積み上げて残置しました。