2019年02月19日

埼玉県日高市 屋敷内のスギ大木等5本の買取伐採

平成31年2月18、19日実施

当社で伐採をさせていただいている日高市のお客様より、屋敷裏にある目通り300cmのスギ大木1本と中径木のスギ4本の伐採の依頼がありました。

以前からの伐採では手を付けずに最後まで残していたもののスギの落葉処理がネックとなり、年齢を重ねるごとに母屋の屋根掃除が難しくなっていることから苦渋の決断で伐採したいとのことでした。

依頼人様所有の山林や屋敷内各所の立木等、今まで何回にも渡り当社で伐採させていただいており、今回伐採する5本が屋敷内で最後の中~高木となっていました。

1年以上前から伐採の打診がありましたが、依頼人様は伐採を急いでおらず昨シーズン中に施工できなかったことから、今シーズンまで先延ばしにしていました。

屋敷裏は北側の比較的広い道路に接しており、以前伐採した際に25tクレーンを搬入しているので、今回は大木のため25tクレーンを使用することにしました。

裏の道路から屋敷内に向けてコンクリートで通路が整備されているものの、強度が弱く幅員が25tクレーンの車幅に満たないため、通路を敷鉄板で養生しつつ補強する必要がありました。

今回は母屋に近い位置にクレーンを設置するため、最低30m分の敷鉄板が必要となりました。鉄板は16日午後に、当社貯木場から運搬して敷設を完了していました。

また、スギ大木のすぐ脇の直下にはお稲荷様の社があるので、伐採時の枯れ枝落下による屋根の破損を防ぐために単管パイプで骨組みした厚ベニヤ屋根を予め設置しました。

通路上でスギ大木まで一番近い位置にクレーンを設置しても、最短距離で15mも離れていることから胴木を長材のままで吊り伐ることはできませんでした。

スギ大木は最初の枝がある高さまでは約11mで、高さ20m程度で幹が数本に分岐しており、分岐から上の梢端部でもそこそこあるものとみられ全体の樹高が25m程度と推定していました。

根元から11mを無節で採れる立派な材でしたが、10m材で搬出する程の費用対効果を得られないと判断し、最終的にはクレーンの作業能力に応じて吊り伐りすることが最良と判断しました。

大きな屋敷でも目通り3mクラスのスギは珍しいですが、注文材の長さ8m以上での搬出が難しいことや胴木に所々キズのようなものが見受けられたことから、買取は値引きでの対応をさせていただきました。

18日朝より25tクレーンを搬入し、当初はスギ大木の梢端を吊り伐りする際にジブ拡張を想定していましたが、フルブームで吊りしろがほぼ無い状態でギリギリ届いたためジブ拡張せずに作業を開始しました。

まずはスギ中径木からの伐採を開始し、クレーンの作業能力的に4本とも全木吊り伐りが可能でしたが吊り倒すスペースがないため、4本とも枝下の高さ12m前後で梢端部を胴切をしてから元木を吊り伐りしました。

スギ中径木4本の元木のうち3本を6m、1本を4mで造材し、2番玉から上は3m~4mに造材して全てパルプ材向けとなりました。

午前中でスギ4本の伐採と伐採材の積込みを完了し、午後よりメインのスギ大木の枝下ろしに取り掛かりました。

木に登ってみたところ地上からは三又に見えた分岐が実際は四又となっており、梢端部は相当昔に折れたことで萌芽した枝であることがわかりました。

萌芽枝を吊り伐ったところ、年輪が100年に達する程に目が詰まっており、通常のスギよりもはるかに堅く太い状況でした。

胴木から生えた枝も年輪が非常に詰まって堅く、直径は10cmを裕に超える太枝であったため可能な限り3m以上を確保して廃棄材ではなくパルプ材を多数採りました。

2時半過ぎにはスギ大木の枝が全て無くなり、20m弱の幹のみの棒立ち状態となったところで初日のノルマを達成したので伐採は終了し、枝葉をダンプ1台に積込んで作業を終了しました。

19日は棒立ち状態となっているスギ大木の胴木伐採と伐採材搬出、残ったダンプ2台分の枝葉の搬出のみとなりました。

朝一番にまずは枝葉の積込みをして現場内を一旦清掃し、綺麗になったところで胴木伐採を開始しました。

胴切前に出荷先に造材長さのオーダーを確認したところ、元木~3番玉は4m材での伐出の指示があったため、最初に生き節の4番玉を胴切して伐り下ろしました。

3番玉と2番玉を4m少々になるように胴切して元木はオーダーの長さに伐採し、約50分で胴木伐採を終了しました。

スギ大木は枝下ろしで約2時間、胴木伐採で約50分と全体で3時間足らずで伐採を完了し、胴木伐採後は伐採材を積込んで昼前に伐出作業を終了しました。

スギ大木の伐根で樹齢を計測したところ樹齢200年に達しており、先日伐採した三芳町のお客様と同様に依頼人様は歴史のある農家の方で、お稲荷様の御神木として古くから大切にされていました。

これら5本のスギは地盤の乾いている平地に生えていたため水分量が少なく赤身の色が良い方で、特にスギ大木はかなり乾いており胴木全体で重量が丁度6tしかありませんでした。

午後に簡単な清掃とクレーン搬出を行い、敷鉄板は2日後にトラックを総動員して回収し全作業を終了する予定です。

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伐採木

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スギ大木梢端吊り伐り

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スギ大木4番玉胴切

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スギ大木3番玉胴切

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スギ大木2番玉胴切

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スギ大木元伐り

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スギ大木元木吊り出し

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スギ大木元木吊り倒し

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伐採材積込

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伐採材搬出