令和2年2月20日午前実施
昭島市のお客様より、自宅敷地内の空き家住宅に今にも接触しそうな目通り230㎝のケヤキの伐採の依頼がありました。
隣接するご自身所有の貸倉庫を解体整地したことで、解体跡地を通って敷地内へ大型車両の進入が可能となったため、この隙を見計らって伐採することになりました。
ケヤキをわざわざ残してギリギリのところに住宅を建てていたので、生長とともに屋根に接近して今にも接触しそうな状況になっていました。
今回伐採するケヤキの手前には一回り小さいケヤキが近年まで立っており、これは地元の造園業者が既に伐採済みでした。
幹途中で多少曲がっているものの元木で6mの無節材が採れ、大きさ的に売れ筋の注文材を採ることが可能であったので、ケヤキを買取して伐採総工費を値引きさせていただきました。
ケヤキはクレーンを設置する庭側から見ると住宅の向こう側に立っており、距離が離れている上に長材で伐出する必要があったので、25tクレーンを搬入することにしました。
13tや16tクレーンでも作業は可能でしたが、これら機種で伐採した場合は短幹材での伐出となって材の価値を付けることができなくなるため、25tクレーンの使用を提案していました。
貸倉庫を解体した業者様が当社を依頼人様へご紹介いただいており、この業者様が解体跡地から庭へ車両を搬入するための仮設作業路を整備していただけることになっていました。
現状の常口からでは標準幅2t車の進入が限界で、貸倉庫を解体していなければミニラフターですら搬入可能な幅員が無かったので、材として伐出することはほぼ不可能な状態でした。
先週末に仮設作業路として解体跡地へ鉄板を敷設していただいており、本日朝より25tクレーンを搬入して伐採を開始しました。
伐採に取り掛かる前、まずは根回りに置かれた玉石を撤去して根張りの間に付着した土を落とす作業から開始しました。
積み重なった石を撤去していたところ、根元にサルノコシカケが生えていることを発見し、伐採を前に内部が腐っていることが判明してしまいました。
立地条件から幹外径部に多少の穴が出ることは覚悟していましたが、菌類由来の悪い腐りがあることまではほとんど想定していませんでした。
腐りのことが頭に浮かんだまま伐採に取り掛かり、細枝を全て吊り伐りして2番玉から上の幹や太枝をそっくりそのまま胴切して吊り伐りました。
2番玉から上は軒より高い位置で胴切したので、元木6m材を吊り伐る際は胴木が屋根に接触しないように細心の注意を払って伐採しました。
住宅を跨いで伐採しているので、元木を吊り出す際はクレーンの作業能力が限界に近い重量を指していましたが、揚程ともに問題なく伐出しました。
サルノコシカケの通りに腐りが入っており、測定の結果は元口から2m弱まで腐っているようでした。
10時までに元木を吊り出して伐採は終了し、伐採材と枝葉等の発生材を積み込んで午前の早い段階で全作業を終了しました。
ケヤキを長材として利用することを前提に伐採費用を値引きしていたので、腐りには大変がっかりしましたが見積通りに作業をさせていただきました。
午後は先週伐採したケヤキ巨木の元木を出荷するため、伐採に使用した25tクレーンを現場より当社貯木場へ回送しました。