2018年10月31日

埼玉県入間市 道路脇のスギ風倒折損木等6本の伐採

平成30年10月31日実施

地元入間市の工務店様より、狭山市にお住まいのお客様所有の当社近所にある山林のスギが台風で折れて他の木に乗っかっているとの連絡がありました。

9月30日から10月1日に通過した台風24号の暴風により、抜け道として利用されている道路のすぐ脇に立っていたスギが樹幹途中で折れて梢端部が奥のシデに乗った状態になっていました。

折れた部分も首の皮一枚繋がった状態でかろうじて残っており、双方バランス良く1ヶ月間耐えていました。

幸いなことに風の抜ける方向には民家等の構造物が無く、奇跡的にシデに乗って止まったことで近くにある看板やフェンスを破壊することはありませんでした。

ヒノキやサワラの風倒折損木は樹幹内部の腐り等の痛みから台風で折れるケースが目立っていましたが、このスギは内部に大きな痛みも無かったことから瞬間的な暴風で折れてしまったことが考えられました。

立地条件も南風が良く当たる丘陵地の南斜面の高台で、スギ自体も樹高が20m近いもので樹冠部の風当たりの良さが折損に繋がったとも考えられました。

数年前に当社へ伐採の見積を依頼されていましたが予算の都合から見合わせとなっており、その当時は街頭の電線も無かったことから重機を使用せずにそのまま伐倒することが可能でした。

今回の伐採の依頼を受けたのは10月下旬になってからで、抜け道を通行止めにするための手続きや当社とクレーンの予約状況から最速で本日実施することにしていました。

通行止めの道路使用許可とガードマンは工務店様側で手配いただき、当社は朝より13tクレーンとユンボを搬入して作業を開始しました。

風倒折損木以外に周辺にあった大小スギ4本、エノキ1本が同時依頼されているほか、シュリザクラ1本の太枝が折損しているとのことで当日朝に急遽伐採が決定しました。

メインの風倒折損木を伐採する前に支障となるエノキと、風倒木と並んで生えていた同程度のスギと細い枯れたスギを伐採しました。

風倒木周辺が開いたことでクレーンの作業範囲が広がり、まずは折れた位置に近い所へ玉掛をしました。

玉掛をした際に樹冠側が揺れていたことから破断位置を胴切するのではなく、首の皮一枚状態なのでそのまま巻き上げて引きちぎることにしました。

徐々に張力を掛けていくと繋がっていた樹皮が剥け始めて、最後は切れて材が浮き始めました。

クレーンと材との距離が離れているため揚程が無かったので一度破断面を地上に下ろし、玉掛を梢端側に掛け直して再度吊り上げました。

これによりシデに挟まっていた梢端部が離れて材が完全に吊り上がり、本来の目的を完了しました。

次に、伐採木の中では一番大きい4本目のスギの伐採に取り掛かり、クレーンのブームをスギに当ててみたところ梢端部まで届かなかったのでジブ拡張を行いました。

伐採木に近い位置は道路が狭く勾配が大きいのでアウトリガー張り出しが難しいとのことで、ジブ拡張の方が手間が掛からないとのことでした。

ジブ拡張と作業半径が大きいことで材は4m程度で伐り下ろす必要があって、4分割で吊り伐りしました。

3番玉まで胴切したところでスギの伐採は休止し、追加依頼のシュリザクラの伐採に移りました。

シュリザクラを半分程度伐採したところで残りの作業を午後へ持ち越し、スギの元木を伐採するためにジブを格納しました。

スギは2番玉を胴切せずに元伐りを行うために、胴木をクレーンで吊るした状態で元口は伐倒姿勢を取って起こし伐りで伐採しました。

全ての伐採を終了し、伐採材は全てパルプ材向けとなって当社で無償で引き取り、枝葉も林内残置ではなく廃棄処分しました。

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伐採木

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風倒折損木

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1本目スギ元木吊り出し

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3本目風倒スギ引き離し

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風倒スギ吊り下ろし

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4本目スギ梢端吊り下ろし

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4本目スギ4番玉吊り下ろし

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4本目スギ3番玉胴切

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4本目スギ元木吊り伐り倒し

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伐採材