2020年2月
埼玉県秩父市 「巨樹・巨木」屋敷内の目通り6mケヤキの伐採(3)
現場搬出:令和2年2月13日午後実施
秩父市でのケヤキ巨木伐採の続き記事です。
午前までに元木の伐採作業を終了し、午後からは胴木伐採材の積込み及び当社貯木場への搬入をしました。
出荷運搬:令和2年2月20日午後実施
20日午前中に昭島市でケヤキを伐採後、使用した25tクレーンを当社貯木場へ回送して元木を当社の原木運搬車へ積込みました。
ケヤキ伐採後、当社へ賃挽製材を依頼されるお客様が元木を購入したいとの打診があったので、この方に販売することになっていました。
さらには買主様側の荷下ろしでも25tクレーンを使用するのでまたまた回送して、引き続き荷下ろし先にも同行していただいて荷下ろしと仮置きのための設置作業をしていただきました。
今すぐにではありませんがこの元木を製材したいとの意向があるので、将来的に当社の最大製材径2.4mの胴割製材機で製材するかもしれません。
東京都昭島市 住宅へ接触寸前のケヤキの伐採
令和2年2月20日午前実施
昭島市のお客様より、自宅敷地内の空き家住宅に今にも接触しそうな目通り230㎝のケヤキの伐採の依頼がありました。
隣接するご自身所有の貸倉庫を解体整地したことで、解体跡地を通って敷地内へ大型車両の進入が可能となったため、この隙を見計らって伐採することになりました。
ケヤキをわざわざ残してギリギリのところに住宅を建てていたので、生長とともに屋根に接近して今にも接触しそうな状況になっていました。
今回伐採するケヤキの手前には一回り小さいケヤキが近年まで立っており、これは地元の造園業者が既に伐採済みでした。
幹途中で多少曲がっているものの元木で6mの無節材が採れ、大きさ的に売れ筋の注文材を採ることが可能であったので、ケヤキを買取して伐採総工費を値引きさせていただきました。
ケヤキはクレーンを設置する庭側から見ると住宅の向こう側に立っており、距離が離れている上に長材で伐出する必要があったので、25tクレーンを搬入することにしました。
13tや16tクレーンでも作業は可能でしたが、これら機種で伐採した場合は短幹材での伐出となって材の価値を付けることができなくなるため、25tクレーンの使用を提案していました。
貸倉庫を解体した業者様が当社を依頼人様へご紹介いただいており、この業者様が解体跡地から庭へ車両を搬入するための仮設作業路を整備していただけることになっていました。
現状の常口からでは標準幅2t車の進入が限界で、貸倉庫を解体していなければミニラフターですら搬入可能な幅員が無かったので、材として伐出することはほぼ不可能な状態でした。
先週末に仮設作業路として解体跡地へ鉄板を敷設していただいており、本日朝より25tクレーンを搬入して伐採を開始しました。
伐採に取り掛かる前、まずは根回りに置かれた玉石を撤去して根張りの間に付着した土を落とす作業から開始しました。
積み重なった石を撤去していたところ、根元にサルノコシカケが生えていることを発見し、伐採を前に内部が腐っていることが判明してしまいました。
立地条件から幹外径部に多少の穴が出ることは覚悟していましたが、菌類由来の悪い腐りがあることまではほとんど想定していませんでした。
腐りのことが頭に浮かんだまま伐採に取り掛かり、細枝を全て吊り伐りして2番玉から上の幹や太枝をそっくりそのまま胴切して吊り伐りました。
2番玉から上は軒より高い位置で胴切したので、元木6m材を吊り伐る際は胴木が屋根に接触しないように細心の注意を払って伐採しました。
住宅を跨いで伐採しているので、元木を吊り出す際はクレーンの作業能力が限界に近い重量を指していましたが、揚程ともに問題なく伐出しました。
サルノコシカケの通りに腐りが入っており、測定の結果は元口から2m弱まで腐っているようでした。
10時までに元木を吊り出して伐採は終了し、伐採材と枝葉等の発生材を積み込んで午前の早い段階で全作業を終了しました。
ケヤキを長材として利用することを前提に伐採費用を値引きしていたので、腐りには大変がっかりしましたが見積通りに作業をさせていただきました。
午後は先週伐採したケヤキ巨木の元木を出荷するため、伐採に使用した25tクレーンを現場より当社貯木場へ回送しました。
埼玉県秩父市 「巨樹・巨木」屋敷内の目通り6mケヤキの伐採(2)
令和2年2月13日実施
秩父市でのケヤキ巨木伐採の続き記事です。
昨日は3番玉の胴切まで実施し、3番玉以外の伐採材を搬出して作業を終了していました。
2日連続の作業のためクレーンはそのままの状態で現場に放置していたので、朝はすぐに作業開始できる状態になっていました。
朝一番は天気雨がパラパラ降っていたので開始時間を遅らせ、9時前より2番玉の胴切から作業を再開しました。
3番玉の胴切と同様に90㎝バーのチェーンソーを使用して幹を1周し、約20分で2番玉を切り離しました。
2番玉も3番玉も胴切で1周するにあたり、ほぼ食い違い無しで回って来られたのでチェーンソーが挟まれたり、幹の一部が残って吊り上がらない等のトラブルは一切なく吊り伐ることができました。
胴綱の回し具合から2番玉胴切位置の幹周で約5.5m、3番玉胴切位置と又上の太枝胴切位置の幹周で約5mも廻っていました。
休憩を挟んでメインの元木伐採に取り掛かり、根張りは除去せずに同じく90㎝バーのチェーンソーで回って伐り始めました。
幹の内部が概ね幹の形に沿って空洞になっていることがわかっていたので、長いバーを無理に使用する必要はないと判断していました。
根張りの大きい木にはほぼ確実と言って石が巻き込まれており、今回も2回ヒットして刃が切れなくなって目立てをするために中断することもありました。
石食いのために1か所と、もう1か所は90㎝バーでどうしても届かなかったので、その2か所に限り根張りを除去せざるを得ませんでした。
150㎝バーのチェーンソーも用意しており、最後は切れているかどうかを確かめるために切り口に挿入し、最後まで僅かに残っていた内部を切って昼前に漸く元木を吊り倒しました。
根切りのほとんどを90㎝バーで回り、鋸入れの始点と終点がこれだけの巨木でも食い違うことなく伐採できていました。
穴を避けて残っている年輪を計測したところ概ね170年で、穴が無かったとして依頼人様が仰っておられた樹齢260年は少なくとも経っていました。
午後は伐採材の積込みを残すまでとなり、3番玉と2番玉は当社のトラックへ、元木はクレーン屋さんの運送部門へ依頼して当社貯木場まで運送することになっていました。
運送のトラックは当社の原木運搬車よりも車体長が約1m長い車であったので搬入が相当きつい状況で、常口の門柱や隣人様の塀にぶつかりそうになりながらも何回も切り返したのち搬入しました。
元木の根張りを残して伐採したためトラックへ積むと車高が5mに達するので、正丸トンネルを安全に通過できるように車高3.5m程度になるように根張りを除去しました。
切り落とした根張りや昨日伐採した太枝は薪材として無償で引取り、これらはダンプ2台に分けて積み込みました。
枝葉等は敷地内でチップ化して、地盤の低い場所に水溜り防止の水分吸収材として散布しても良いことになっており、これらは昨日の作業と並行してチップ化してありました。
ケヤキの胴木は1玉ずつ3台に積み込んで搬出し、秩父市内、国道299号、飯能市内を3台の連隊で走り続け、当社貯木場へ搬入しました。
貯木場での荷下ろしのため、伐採に使用した25tクレーンを現場から先発させて貯木場へ向かわせ、待機してもらいました。
ケヤキの元木は既に買い手が付いていたので一旦貯木場へ下ろし、2番玉と3番玉は出荷のために荷下ろしせず、翌日そのまま当社で輸送することになっています。
雨天でなければ15日に鉄板を引き上げて全作業を終了する予定で、元木は20日に25tクレーンを半日使用する際に合わせ、午後に積み込んで買い手の元へ配送する予定です。
目通り6mケヤキ伐採記念写真
埼玉県秩父市 「巨樹・巨木」屋敷内の目通り6mケヤキの伐採(1)
令和2年2月12日実施
秩父市にお住まいのお客様より、自宅屋敷内にある目通り6mのケヤキ巨木の伐採の依頼がありました。
現場は秩父駅に比較的近い街中の住宅街に立地しており、巨木のため大量の落葉による度重なるクレームを近隣より受けていたそうです。
また、依頼人様のご子息が敷地内に家を来年新築するそうで、家や庭の配置から今後ケヤキに重機を接近させることができなくなるため、ついに伐採を決意されました。
木材・伐採業者が多く集まった際にこのケヤキについて話をすると知っている人が多く、秩父市内の同業者からはとうとう伐るのかというくらいに業界ではちょっとした有名でした。
伐採に際して他社で見積を取ったところ、巨木な上に施工できない業者はもちろん、伐採処分費として数百万単位の見積が出ており依頼人様は頭を抱えていたそうでした。
以前、枝下ろしをした業者も根元からの伐採は施工できない上に、クレーンを搬入した際に常口向かい側の隣人様の塀をぶつけて壊していた経緯もありました。
他全ての見積が出揃ったところで技術的、予算的な問題から当社へご連絡をいただき、施工可能である旨をお伝えした上でサイズ的に買取を念頭に見積へお伺いしました。
お伺いして伐採木を拝見し、立木の寸法採寸、出荷原木の寸法想定、作業場所や工法、車両進入経路、使用機材選定をその場で依頼人様へご説明しました。
巨木伐出にあたり、まずは現場の常口と道路が狭くて50tクレーン以上の機種の搬入が不可能で、25t大型車や大型トレーラーの搬入はもちろんのこと不可能でした。
敷地内は入ってしまえば貸駐車場になっているので、庭は当社のトラックを全て搬入しても余るくらい広く、しかも地盤は強固に締固められていました。
しかし、庭の奥へ行くにつれて地盤は柔らかくなっており、ケヤキに到達する前の20m分は植え込みのため、植木を撤去して鉄板を敷設する必要がありました。
25tクレーンや当社の原木運搬車の搬入がほぼ上限と判断し、極太の胴木を伐出するためにはクレーンの作業能力と搬出車両に依った長さと重量で胴切するしかありませんでした。
胴木には至る所から萌芽枝が生えてしまっており、根張りからはスケールを入れると2mも入ってしまう穴が確認できていました。
樹幹、樹形から500年を超えてくるような銘木ではないことは一目瞭然であるため、このような巨木でも買い上げての伐採は難しい状況でした。
そのような状況でもケヤキの価値を考慮して特殊伐採費相当の金額を値引きさせていただき、鉄板敷設費用と伐採機材・重機車両費を頂いて作業させていただくことになりました。
依頼人様側の文献で260年前には少なくとも立っていたとの記録があり、代々残してきたケヤキなので2月4日に秩父神社宮司が出向いてお祓いを行いました。
現場での作業は鉄板搬入敷設、伐採搬出2日、鉄板撤去搬出の合計4日を予定し、前日11日に鉄板の搬入敷設や植木の撤去を行い、本工事への準備を整えました。
クレーン屋さんが秩父へ行くには距離がある上に、カーブの多い国道299号や坂の区間が長い正丸を25tクレーンで越えてきてもらい、本日朝より本格着工しました。
依頼人様は以前の塀破損の経験があるため非常に心配されていましたが、測定上はハンドルを切り返さずに常口は曲がり切れる計算となっていたので、問題なく敷地内へクレーンは搬入できました。
クレーンを作業位置へ設置し、重量級の伐採木を吊り伐りするにあたって足元を強固にするために、1.5m四角の鉄板をアウトリガー下に設置することから開始しました。
伐採作業は太枝から生え出た萌芽枝を伐り下ろすことから開始し、至る所から数多くの枝が出ていたので非常に手間取り、幹から生えた萌芽枝も除去することを含めてほぼ午前一杯かかりました。
午前はロープで枝の間を飛び回れていたものの、吊り荷のバランスの関係で太枝も中段伐りする必要が出てきたので、午後からはスパイクを履いて作業する工程に取り掛かりました。
又分かれ毎に太枝を伐り下ろし、枝として最後となる胴木又上の相当太い2本の太枝を胴切して吊り下ろしました。
15時前に幹だけの状態となり、あと1本は伐る時間があったので3番玉の胴切に取り掛かり、90㎝バーのチェーンソーで幹を1周して約12分で3番玉を切り離しました。
3番玉の胴切を最後に初日の伐採を終了し、又上の伐採材を積み込んで終了しました。
埼玉県所沢市 住宅街でのマツ3本等の伐採
令和2年2月6日実施
地元入間市の当社と同じ地域で営業している植木屋さんより、所沢市にお住まいのお客様の自宅敷地内にあるマツ3本の伐採、コナラ2本等の剪定の依頼がありました。
枯れ始めてはいないもののマツ3本に虫食いが入ってしまったことや、樹高の割には幹が細いので大風の際に大きく揺れることが心配で伐採することになりました。
山を造成して高級住宅街のように整備された地区で、斜面に造られた区画には景観を重視するようにマツ、サクラ、コナラ、カシを植えた家が点々としている場所でした。
今回当社で剪定するコナラは、植木屋さんが当社を知る以前に隣の市の伐採業者へ依頼して強剪定を施工していました。
その業者は当社でも多少付き合いのある所ですが、技術面はもとより金銭面でも業界での評判が良くないので、植木屋さんが特殊伐採の発注を当社へ乗り換えいただいたことで今回よりお取引を開始しました。
当社の地元では、当社の商号が材木店であることで特殊伐採等の伐採全般業務を請けていることを知らない人が大多数で、地元のお客様はまだまだ少ない状況です。
マツ3本の伐採の他にその伐採業者が強剪定したコナラも落葉を抑えるために樹高を下げたり、剪定したりして今後は簡単に登って剪定できるようにしたいとのことでした。
マツは道路より29m~33m離れた母屋奥の斜面に点在しており、クレーンで伐採するには道路を片側通行にして25tクレーンを搬入し、家を跨いでなんとかギリギリ届くかという状況にありました。
住宅街のためトラック等は全て道路にしか止め置くことができず、伐採材は枝葉も幹も全て搬出処分する必要がありました。
人力で伐採するには手間がかかり、幹を細切れにして搬出処分するには非常に多くの費用と手間が掛かるため、片側通行にして25tクレーンで伐採した方が安上がりで作業可能でした。
幸いなことに都内の住宅密集地のように道路が狭くはなく十分な幅員があり、クレーンの片側アウトリガーを依頼人様敷地内の駐車スペースに全張りすることが可能でした。
依頼人様の隣近所は良い関係である上にこの植木屋さんのお客様でもあるので、道路使用や車両の駐車、作業中の騒音には非常に寛容的な方々でした。
このため作業時に依頼人様宅周辺を片側通行にして多くの車両を止め置いたり、枝葉処理にチッパーを使用したりすることを快諾していただけていました。
25tクレーンを使用できる状況となり、ジブ2段拡張して最遠部でも幹を最低3m以上で吊り伐る作業能力をギリギリ確保できる見込みが立ちました。
昨年12月に今回の現場から少し先にお住まいの当社のお客様宅で伐採した際も、隣近所同士の関係が良かったので片側通行にして作業することを皆様が快諾し、難工事が容易な作業になりました。
道路使用のため朝は時間を置いてからクレーンを搬入し、アウトリガー接地面となる駐車スペースの石畳を段ボール、厚ベニヤ、鉄板の3段敷きで厳重に養生することから作業を開始しました。
接地面養生準備と同時に、反対側は普通車が通り抜けられる分を空けてクレーン設置位置を確定し、まずはジブを1段のみ拡張して伐採作業を開始しました。
今日は暴風に近い強風が常に吹き荒れて伐採木は大きく揺れ、クレーンのフックや玉掛けが風に煽られて狙いが定まらず、吊り伐った材は風に流されて空中で大暴れしている惨状となってしまいました。
10時までに道路から近い順にマツ2本を元木3m残しで伐採し、33m離れたマツはジブ2段拡張で同じように元木3m残しで昼までに伐採しました。
どのマツも2番玉から上は35㎝バーのチェーンソーで十分伐採可能な太さでしたが、29m以上離れた木を伐採するために3m材で回数多く吊り伐りしたことで時間がかかっていました。
また、オペレーターから伐採木がほとんど見えないので全て無線でクレーンを誘導していることや、風に煽られていたこと、荷下ろし位置の関係で毎回ブームを伸縮したことも時間がかかった要因でした。
午後はマツ3本の元木をそれぞれ吊り伐りして搬出し、追加として申し付けられていた細いカシ3本の剪定をしました。
ジブ2段拡張した状態で追加のカシを剪定した際は、重量200㎏前後の葉付きの枝を吊ったところで枝が吹き流しのようになり、風の抵抗でクレーンが旋回しないというトラブルも発生しました。
この状況下で枝の剪定はこれ以上不可と判断し、多少時間が早いものの作業を打ち切って翌日に延期し、伐採材を積み込んで初日の作業を終了しました。
元々、追加作業が発生しない場合でも1日での作業は厳しいと判断しており、2日分のクレーンと当社の予定を押さえていたので残りを翌日に施工して全作業を終了する予定です。
来週の特殊伐採は当社の伐採では最高サイズとなる、目通り6mケヤキ巨樹の伐採を行います。
鉄板敷設が必要となり現場常口が狭いため25tクレーンが搬入の限界で、搬出にも25t大型車やトレーラーが進入できないため、幹は胴切して全て増トン車にて搬出しなければなりません。
鉄板敷設~伐採搬出、遠方への出荷まで全て自社で施工するため、着工~撤収まで1週間程度かかる予定です。