2018年11月
東京都西東京市 屋敷内のケヤキ大木等7本の枝下ろし及び伐採
平成30年11月27、29、30日実施
約2年半前に西東京市内でケヤキを伐採したお客様より、自宅屋敷内にあるケヤキ6本の枝下ろしと1本の伐採の依頼がありました。
9月30日から10月1日に通過した台風24号の暴風により、目通り3m位あったケヤキ大木1本の太枝が折れた影響で他のケヤキも枝下ろしないし伐採をしたいとのことでした。
太枝が折れたケヤキは又分かれ部から太枝が裂けて落下し、枝が捩れて落下した影響で胴割れを起こしてしまい、台風通過後に他の業者が太枝の撤去を兼ねて胴木も伐採していました。
胴割れを起こしたケヤキのすぐ左側には同等の目通り310cmのケヤキ大木が残っており、このケヤキも万が一折れてしまった場合に建物等への被害が及ぶことを懸念して早急に対処したいとのことでした。
依頼人様は非常に怖い思いをされたようで、落葉や冬季の大風に備えて可能な限り11月以内には伐採して欲しいとのことでした。
胴割れケヤキの伐採撤去も10月1日時点でご依頼されていましたが、地元での風倒木撤去に追われて当社では施工できませんでした。
屋敷内は広く、常口は大型車も進入可能な広さがありましたが、車両を止め置くスペースが限られており、伐り下ろした伐採発生材はすぐに移動したり処理したりする必要がありました。
また、中庭は枝の吊り下ろし作業場になること、中庭には幅広車の進入ができないことから、運搬用トラックが止まっている前庭まで枝葉等は運び出さなければなりませんでした。
片付作業が当社だけでは間に合わないことから、伐採はいつもお世話になっている空師さんとお抱えの13tのクレーン屋さんにお願いし、当社では伐採材と発生材の搬出運搬を担当しました。
母屋へ向かう通路の左右にあったケヤキ大木のうち、右側の大木が無くなったことで切株の根張りを伐り取ることができたので、中庭に13tクレーンを搬入することが可能となりました。
近年、都市部住宅地の狭い現場での枝下ろしが増加していることから、小型重機回送の効率化、車両駐車の省スペース化、発生材の輸送力増強を図るため4tローダーダンプを当現場より新規採用しました。
自社ダンプ2台体制になったことで、パルプ材に満たず今まで廃棄処分していた枝を薪として現場で分別し、廃棄処分する枝と分けて運搬することを本格的に開始しました。
27日より3日間の予定で作業を開始し、28日は既にクレーンの予約が取れなかったことから1日空けて29、30日で作業することにしました。
27日は目通り310cmケヤキの枝下ろしから作業を開始し、樹高がかなり高いのでジブ2段拡張で対応して揚程限界でなんとか吊り伐りしました。
このケヤキの枝下ろしでほぼ半日を要し、左側の細いケヤキも同時に枝下ろししてこれは1回の吊り伐りで終了しました。
午後よりジブを格納し、1本だけ根元からの伐採依頼されていた目通り230cmケヤキの伐採を行いました。
29日は右側の隣人様に面している3本の枝下ろしを行いました。これらのケヤキは5年程前に枝下ろししているため、主に萌芽枝の剪定となりました。
また、隣人様の家に面していることや、次に枝下ろしする際のことを考慮して高さ10m程度に樹高調整して欲しいとのことでした。
萌芽枝の剪定のため今までの枝下ろしに比べると時間を要し、27日に伐採した目通り230cmケヤキの伐採材を積込んで作業は終了となりました。
30日は残った左端のケヤキ1本の枝下ろしと、パルプ向けの太枝伐採材の積込み、現場内清掃と原状復帰作業をしました。
西東京市は当社の営業エリアの限界範囲のため作業時間が制約され、冬季の日中時間の短さもあって2日間の作業では厳しいという見積が正しい状況でした。
午前中で全ての伐採作業が終了し、午後より残った伐採材の積込みと原状復帰作業を並行して行い、3日間の予定で全ての作業が終了しました。
埼玉県入間市 屋敷裏山林内のカシ風倒折損木等の伐採(後編)
平成30年11月11、13~17日実施
地元入間市でのカシ風倒折損木等伐採の続き記事です。
前半の3日間で主に枝下ろしをして、後半の3日間で胴木伐採と搬出作業に取り掛かりました。
15日は午前中に東側の残ったヒノキとスギの小径木を全木状態で吊り伐りし、午後は風倒折損カシの胴木伐採搬出から作業を開始しました。
クレーンで胴木を吊り伐りする場合、2m材で胴切しても作業能力上吊り伐りできないので一旦伐倒してから搬出することにしました。
ウインチ用ワイヤ掛けのためにカシへ登ったところ、折れた付近から以前落雷に遭った跡が見つかり、このカシは幹の繊維が弱っていたところに暴風で煽られたことで折れたことが判明しました。
カシは繊維が堅く強いため、幹が折れることは少なくて根上りになる風倒木になることが多いですが、幹に異常が無い限り折れることは今までの経験からあまりありませんでした。
カシは斜面上に立っており、斜面下には母屋が建っているため等高線上に倒すと転がり落ちる可能性があったので、上山側の丁度枝の落下で破損したフェンスの区間内にまずは伐倒しました。
伐倒後は元木を2m、2番玉を3m材へ玉切して、安全圏位置からクレーンで吊り出しました。重量は元木2m材で1.2t、2番玉3m材で1.3tもあってクレーンの性能上ギリギリで吊り出すことができました。
次に東側のカシの4番玉と3番玉を胴切して吊り伐り、目通りが220cmもあるため元木と2番玉は先程と同様に作業性能上吊り伐りできないので、伐倒してから両者4mに玉切して吊り出しました。
16日は朝初めにクレーンを移動して西側のケヤキ2本の胴木伐採から開始しました。
ケヤキ伐採後、山林西側のカシ4本を伐採する前に周辺にあったヒノキ小径木数本を先に伐採し、午後よりカシの伐採に取り掛かり4本とも3番玉から上を胴切しました。
西側のカシは枝下10mもある良いカシで、注文材を採るために元木と2番玉を5m材で搬出する必要があることから、胴切位置を間違えないように4本とも採寸して胴切しました。
最遠部のカシは作業能力上元木と2番玉を5m材で胴切できないため、これも前者の2本と同様に山林内へ伐倒してから玉切して吊り出しました。
この他にもう1本のカシを5m材で伐採し、荷下ろし場の都合上積込みしてカシ2本残しの状態で作業を終了しました。
最終日には残りの2本のカシを早急に伐採し、追加依頼されていた隣人様の敷地から依頼人様の敷地へ越境していたカシの枝下ろしをしてクレーン作業を終了しました。
初日から最終日まで拡張したままのクレーンのジブをここで格納して搬出し、余った時間でカシの落下枝で潰したり倒れたりした県営団地敷地内の竹を伐採しました。
クレーンの作業能力が最初の打ち合わせ時よりも300kg以上多く確保できたことで、伐採材のほとんどを4m以上の長さで吊り出すことができました。
6日間でトラック合計6台分の伐採材を無償で搬出及び引取し、依頼人様の希望通りに伐採材は2m材以下の廃棄物にはならずにパルプ材等へ再利用することが可能となりました。
この現場を終了して、台風24号通過後にご依頼いただいた大径の風倒木関連の伐採作業が一通り終了しました。
今後は台風通過前後にご依頼いただいた通常の伐採や、来年の台風に備えて伐採したいというご依頼に順次対応していきます。
埼玉県入間市 屋敷裏山林内のカシ風倒折損木等の伐採(前編)
平成30年11月11、13~17日実施
市内のお客様より、自宅裏の山林にある目通り240cmのカシが台風の影響で幹の途中から折れて落下しているとの連絡がありました。
9月30日から10月1日に通過した台風24号の暴風により、太いカシが地上6m付近でバッサリ折れ、樹冠部全てが落下して隣地との境界フェンスを潰していました。
依頼人様によると、9月30日の23時頃に大きな音を立てて折れて落下したそうで、自宅母屋のすぐ裏に立っていたにも関わらず南風のお陰で幸いにも母屋側へ落下せずに大惨事は免れました。
潰してしまったフェンスは裏にある県営団地との境界として設置されていたもので、団地の建物とは離れているため被害は一切なく、団地の脇にある幼稚園にも何も被害が出なかった状況でした。
これを機に思い切って、風倒折損カシを撤去すると同時に自宅裏の依頼人様敷地内の樹木はほぼ全て伐採することになりました。
伐採にあたり、依頼人様の知り合いに市内のクレーン屋さんの社長様が居られるとのことで、クレーンは依頼人様側で手配していただくことになりました。
10月中に当社、依頼人様、クレーン屋さんで現地打ち合わせをして、クレーン屋さんが庭に鉄板を敷いて25tクレーンを搬入することにしました。
母屋を跨いで裏山にある比重の重いカシを主に伐採するため、通常では50t以上のクレーンを搬入したいところでしたが隣接する道路と常口が狭いため25tクレーンの搬入が限界でした。
クレーンを母屋玄関先へ設置しても一番遠い木で30m近く離れているため、ジブ2段拡張で平均作業能力1t前後という厳しい条件で伐採することになりました。
クレーンを搬入する際に依頼人様所有の貸駐車場を一部使用するため、クレーン搬入及び着工を日曜日指定ということになりました。
クレーン屋さんの社長様の取り計らいでジブ拡張を容易にするために、ジブ空中振出&2段目自動伸縮式の最新型25tクレーンを手配していただきました。
また、クレーンは貸駐車場の関係から翌週末に搬出するために一週間現場張り付きとして、その一週間のうちで作業を完了して欲しいとのことでした。
伐採材は可能な範囲で搬出して何かしらに使ってもらえればうれしいとのことで、枝葉は敷地内の畑の片隅に積み上げておいてもらえれば良いとのことでした。
11日朝に一部鉄板を敷いて25tクレーンを搬入し、クレーンを作業位置に設置と同時にジブを拡張して当社は10時から伐採作業に取り掛かりました。
11日は主に山林西側にあったカシ4本の枝下ろしとカシ小径木2本の伐採を行いました。
一番遠い位置にあったカシはクレーンから約26mも離れていた上に樹高も高かったため、ジブ2段拡張して吊りしろ限界でなんとか枝下ろししました。
雨予報が出ていたため1日作業を延期し、13日は敷地西側の隣地境として植えられていたケヤキ2本の枝下ろしから開始しました。
ケヤキは伐採材を運ぶ都合上、枝下ろしで作業を止めクレーンを移動して今度は山林東側のカシ2本の枝下ろしとヒノキやスギの梢端胴切に移りました。
前半戦は車両やユンボの移動が激しく、太い幹等の伐採材が作業スペースに横たわっていると邪魔なため、敢えて枝下ろしから優先して行いました。
14日は主にメインの風倒折損カシの落下した樹冠部の撤去作業を行いました。
このカシは母屋の真裏にあるためクレーンオペレーターからは一切目視で確認することができず、クレーンは全て無線で口頭での誘導で作業したために非常に時間がかかりました。
クレーンから離れた裏の隣地へ落下しているため吊り上げ能力は500kg前後しか確保できず、枝を小さく伐り離して吊り出した分手間取りました。
3日をかけて大方の枝処理を終了し、後半戦の3日間で胴木伐採を集中して行います。
東京都東村山市 神社境内の台風被害の御神木ケヤキ巨木の伐採
平成30年11月7日実施
当社で伐採をさせていただいている東村山市の神社の氏子総代の方々より、台風の影響で社務所と本殿の間にある目通り430cmのケヤキが動いてしまったので見てほしいとの連絡がありました。
9月30日から10月1日に通過した台風24号の暴風により、以前より傾いていたものが根回りの破断よりさらに傾いてしまっていました。
ケヤキはかなりの昔に北側へ伸びていた二又から上の太枝が落雷を受けて消失し、その影響で北側の樹皮が剥がれて形成層も消失して根回りが腐っていました。
さらには折損部から腐り始めて現在では樹幹内部が空洞化しており、元々南側へ傾いて生長していたものが北側の太枝が消失したことで南側に重心が偏り、本来支えるのに重要な北側の根も腐っていた状態でした。
以前から伐採を検討していたそうですが、御神木クラスのためになかなか伐採に踏み切れず、当社でも普通の台風では倒れないので伐採の必要は無いと伝えていました。
歴代3番目の想定外の暴風には耐えきれず、今回は倒れなかったものの総代さん曰く北側の幹が敷石から10cmくらい上がってしまっているとのことでした。
傾きが大きくなってしまったこと、今後の台風等の大風に耐える保障がないこと、万が一倒れた際は建物に大きな損害が見込まれることがら苦渋の選択で伐採することになりました。
南側の太枝を伐採して根元から高さ5m程度で元木のみを残すという案も上がりましたが、推定樹齢400年の老木には酷なことで枯れてしまう可能性の方が高いため、当社からは勧めることができませんでした。
お呼びいただいて訪問した際に、実際に木に登って折損部から元木の空洞内部を確認し、南側の太枝も調査したところほぼ空洞であることが打音検査で判明しました。
老木のため玉杢が多数みられ、空洞でも杢の出現する部分で板が採れるくらいの肉厚があれば多少の価値をみることができるため、材の買取可否は伐採してからの判断としました。
調査の結果から予想通りの空洞である場合、伐採はミニラフターでも可能な重量でしたが肉厚な場合も想定し、現場内に大型クレーンが養生無しで進入できるため25tクレーンを手配しました。
伐採前に当神社管理の宮司さんの下でお祓いを行うとのことで、朝より氏子総代の方々をはじめ関係者の方々20人以上のお立会いがあり、皆様でケヤキの最期を見送られました。
1日で伐採搬出作業を終わらせるべく、当社ではユンボとクレーンの他に伐採材等運搬車両3台と機材等運搬車両3台の計6台でお伺いしました。
8時よりお祓いの神事が執り行われ、終了したのち当社独自のケヤキへのお清めを行って作業を開始しました。
まずは細枝を取り除いて幹と太枝を丸太状にするために、萌芽枝を吊り伐りしました。幹表面は老木特有の大きなコブや杢花の塊があるため、枝切り時の足場を確保するのが容易でした。
順調に作業が進んで10時までには全ての枝を取り払って丸太状の幹になり、午前中には南側の太枝の胴切を行って元木のみの状態にしました。
太枝と言えどもほぼ幹という状態でかなりの太さがあって、胴切時には90cmバーのチェーンソーで周らずにちょうどの太さがありました。
この太枝は以前の強剪定の影響で上方からの腐りが進行して下方からの腐りともぶつかり、内部が完全に貫通した空洞となって非常に太いものの重量は2.3t程しかありませんでした。
胴切した時点で元木の幹内部の状況が完全にわかるようになり、幹は木の太さに対して少ない肉と皮で立っていたことが判明しました。
午後より残りの元木の伐採を開始し、玉掛位置がコブ等で肥大しており、5mのワイヤを巻くことが非常に大変で目通りよりも太い状態でした。
元伐りを行った際、40cmバーの小型チェーンソーで回しても伐れるくらいに幹は肉薄な状態で、1箇所で石が巻き込んでいて刃を潰す事態になってしまったものの他は問題なく吊り倒しました。
元木も完全な空洞なため重量は4tを下回っており、伐採したままの状態でトラックへ積込んで、コブ等は老木の証となるため今回は敢えて伐り落とさないようにしました。
巨木のため元木1本で容積的に満載となり、残りの伐採材は他のトラックへ積込み、枝葉もダンプ1台で軽々積み切って1日で全作業を終了しました。
伐採材は腐食が酷く肉薄で厚い板を採るための余地がほぼ無かったため、材は買取することができず社木の玉杢材にも関わらず引取での対応とさせていただきました。
後日、本記事に掲載し切れなかった別角度からの写真を追加掲載します。