2016年12月
東京都福生市 宅地内のイチョウの伐採
平成28年12月23日実施
知り合いの植木屋さんより、福生市内の個人様宅地内にある目通り7尺のイチョウの伐採の依頼がありました。
イチョウは依頼人様が小さい頃に植えたもので、今となっては大きくなってしまったので伐採することになりました。
この現場は別の業者様からも当社へ見積依頼があり、2回も依頼主様のお宅へ行くことになった珍しい案件となりました。
見積が重複し、先に見積した業者様を優先するため辞退を申し付けましたが、依頼人様と植木屋さんは知り合いでどうしてもと強くお願いされてしまいました。
このお宅は狭い道を入った住宅街の中にあり、周りは大型禁止の道路が非常に多い地域でした。
依頼人様の庭には車1台が入れる程度のスペースしかなく、道も狭くて車の駐車が現場の課題でした。
他に何社も依頼を受けて伐採の見積りに来たそうですが、枝下ろしはできても元からの伐採はできないと全員から断られてしまい、依頼人様、植木屋さん共に困り果てていました。
庭にクレーンを入れてしまうと空師でもなければ伐採する手段がなく、高所作業車を入れると枝下ろししかできないという状況でした。
当社では13tクレーンが搬入できれば簡単に伐採し、胴木を3m以上で伐出することが可能であったので難しい現場ではありませんでした。
クレーンを庭に入れてしまうと当社の搬出用トラック等が置けなくなることから、隣の接骨院の駐車場をお借りして休業日である祝日(天皇誕生日)指定で作業を実施しました。
時間のかからない作業であり、住宅街の中であったことから9時より作業を開始し、庭にギリギリ13tクレーンを搬入することができました。
まず、足場のように生えた枝を根元から吊り伐り、最上部の枝を残して全て伐り下ろしました。
木の周りには植木や塀、タイル等があって、枝は伐り落とすことができないので全て吊り下ろしました。
搬出の都合上、幹を3分割して1玉あたり3m材で3本採りすることにしました。最上部の枝を付けたまま3番玉を胴切して、続いて2番玉も胴切しました。
2番玉胴切後すぐに元木の伐採を開始しましたが、石が混入していたようで刃が切れなくなり、チェーンソーを変えて最初の切り込みより15cm高い位置で伐り直しをしました。
この位置にも石が混入しており、最初の位置で伐った刃よりもボロボロになっていました。またチェーンソーを交代し、さらに15cm高い位置で伐り直しました。
元伐りの位置が最初よりも30cm高くなってしまい切り株が大きく残ってしまいましたが、この位置では問題なく伐ることができました。
依頼人様曰く、この辺は多摩川の関係で砂利が多い土壌であるといい、それらの石が幹の生長とともにいくつも巻き込まれたようでした。
伐採は正味半日で終了し、伐採と搬出は同時進行のため、胴木と枝葉等は作業終了と同時に搬出を完了しました。
東京都あきる野市 国有地段丘崖の銘木級ケヤキ古木大木の買取伐採
平成28年12月15日実施
八王子市の土木業者様より、あきる野市の国有地段丘崖にある目通り10尺のケヤキの伐採の依頼がありました。
秋川の段丘崖上部にケヤキは立っており、木のすぐ脇には生活道路が通っていました。遠くから見ても非常に古い木であることが簡単にわかるほどの木でした。
木が古いため一部の枝が枯れ始めており、時々枝が落下してくるようで現場確認に行った際も折れて引っかかっている枝がありました。
近隣より「危険だ」や「枝が落ちてくる」といったクレームが役所に入り、所有者である国がケヤキの伐採を決定しました。
作業を請けた八王子の業者様が国から伐採費用をほとんどもらうことができず、予算的にも伐ることすらできないとのことでした。
通行止めの道路使用許可を取得し、道路にクレーンを設置することができればケヤキを十分に買い上げて伐採することが可能でした。
道路使用許可申請と枝葉処分を業者様にお願いすることで、その費用分も買取金額に反映して増額することができています。
また、公道を使用して作業するためには全ての発生材を当日中に搬出しなければならないので、枝葉処分は業者様に協力をお願いしています。
伐採には25tクレーンを搬入して道路上に設置し、空師による木登り伐採で作業を開始しました。道路使用許可の都合上、9時からの作業となりました。
まずは、落下の危険性が高い枯れ枝を第一に処理し、落下物による地上での事故を防ぐことから始めました。
枝分かれ上部の太枝には珍しくヤドリギが寄生しており、この部分を製材すると腐っていなければ小豆杢という杢が出現することから、伐採と取扱いは特に丁寧に行いました。
枯れ枝処理後は生枝を伐り下ろしていき、ヤドリギ寄生の太枝を残した状態から枝分かれ部より大きい状態で吊り伐りました。
枝下ろしは昼前までに全て終了し、その後はクレーンを木のすぐ近くまで接近させ、胴木は胴切等を行わずに長い状態で伐倒しました。
さすが銘木級の木で、材は非常に柔らかくチェーンソーが恐ろしいほど切れていきました。元伐りは70cmバーのハスク268XP1台で、あっという間に伐ってしまいました。
胴木伐倒後、長材のままでは曲っているため元木を4m、2番玉を3.6mに造材しました。3番玉は大変珍しい非常に大きいヤドリギのコブ材が採れました。
3番玉付き胴木の総重量は6.0tで、造材後の元木が2.6t、2番玉が1.8t、3番玉が1.4t、廃棄物等が200kgでした。
樹齢250年以上の銘木で、今年一番の最高級ケヤキの伐採作業となりました。丁度、年数の経ったケヤキ材の注文が入っていたので、適合材として出荷する予定です。
ケヤキより道路の擁壁の方が新しく、ケヤキの本当の元木は路面高から1.5mほど低い位置にあるため、元伐りした位置より1.5m分の材が擁壁を巻き込んだ状態で埋まっていました。
元伐りした位置からの目通りでは9尺でしたが、材がこけていないので元木は4m×72cmの大径材が採れました。
時間が多く余っていたので埋まっている本来の元木のうち、路面高より1m分を芯付近からチェーンソーで伐り割き、その半割材も伐出しました。
埼玉県行田市 空地脇のケヤキ3本の買取伐採
平成28年12月8日実施
熊谷市のお客様より、行田市の空地の脇に立っている目通り220cm、240cm、270cmのケヤキ3本と付随する立木の伐採の依頼がありました。
今年の1月にご依頼をいただきましたが土地の都合からすぐに伐採することができず、伐採した枝葉は依頼人様がチップ化、太枝は薪に使用したいとのことで落葉してから伐採して欲しいとのことでした。
伐出には隣接の広い空地を使用することが可能で、枝葉等の処分が一切無かったのでケヤキ3本を買取させていただき、伐採総工費よりケヤキの価値の方が上回っていたので差額をお支払いしました。
また、買取するケヤキ3本以外の立木も同時に伐採して欲しいとのことでしたので、工期内に伐採することができ、枝葉の処分が発生しないことから追加費用無しで伐採させていただくことにしました。
ケヤキには幹曲りや節といった欠点がありましたが、木質が良い方で、伐出条件が非常に良好でしたので買上して伐採することが可能となっています。
見積当初ケヤキは吊り伐りを予定していましたが、空地のためクレーンを木の近くまで搬入できない可能性があったので、吊り伐りではなく伐倒する場合も考慮していました。
鉄板を敷設する場合、相当な枚数が必要となってケヤキを買上することができなくなることから、鉄板敷設は見合わせていました。
12月になって急に気温が下がり降霜の影響で余計に地盤が緩み、クレーンを木の近くまで搬入することができませんでした。
朝より25tクレーンを手配していましたが、伐採には使用せずに原木の木寄せ積込みに使用することにしました。
伐倒する前に、3本ともまずは空地側に伸びている枝だけを木に登って伐り落としました。
目通り220cmのケヤキは空地側に大きく傾いていたので、枝下ろし後はそのまま伐倒しました。
残りの目通り240cmと270cmのケヤキは枝下ろし後、チルホールを使って空地へ伐倒しました。
ケヤキを伐木造材後ようやくクレーンの出番となり、地盤が沈下しない空地の入口付近に設置して木寄せ集材しました。
そのうち、目通り220cmと270cmのケヤキ元木はそのまま積込んで当日中に搬出しました。
残りの材も翌日ユニックで積み込めるようにクレーンで入口付近に集材し、本日の作業を終了しました。
明日は追加依頼されていた立木の伐採、目通り240cmのケヤキ元木搬出、空地の片付および原状復帰をして全作業を終了します。
ケヤキ伐採木(左:目通り220cm、中央:目通り270cm、右:目通り240cm)
埼玉県所沢市 電線及び道路脇のケヤキ7本の伐採
平成28年12月3日実施
昨日の群馬下仁田での作業に引き続き今日も特殊伐採で、今回は木登り空師伐採です。
三芳町の空師さんより、所沢市内の個人様敷地内の道路際にあるケヤキ大小7本の伐採の依頼がありました。
空師さんが電線に干渉していたカシ等の伐採を担当し、当社がケヤキの伐採を担当して僅かでも作業費用を値引いてあげて欲しいとのことでした。
依頼人様の敷地とケヤキの間には細い道路と電線が通っており、クレーンは依頼人様の敷地に設置して道路と電線を跨いで作業することになりました。
ケヤキは太くても目通り230cm、200cm、190cmと小ぶりで他4本はさらに細いので、作業費用を僅かながら値引きさせていただきました。
枝下高が高い部類ですが、道が狭く長い状態で伐出することができないので、鉄板等を用意せずに依頼人様の敷地から作業することにしました。
ケヤキを伐採する前に空師さんがカシ等を除去して見通しを良くすることになっており、それが終了次第ケヤキを伐採して欲しいとのことでした。
当初は25tクレーンを搬入する予定でしたが県道からの入口がクランクになっており、測量の結果でもギリギリ搬入できないことが判明しました。
長さ7.7mのショートキャブユニック車で本当の限界というくらいにクランクが狭く、当社の回送車は長さ8mであるため進入できませんでした。
25tクレーンを使用できないことが判明したため、急遽20tクレーンを手配して作業せざるを得ないことになりました。
20tクレーンのため、当初丸吊りを予定していた細木4本も枝下ろしか胴切が必要となり、時間がかかることが心配されました。
目通り200cmのケヤキの枝下ろしは25tクレーンであれば3分割で全ての枝を伐り終えるところを、20tクレーンでは8分割で伐り下ろしました。
20tクレーンでは目通り200cmケヤキの枝下ろしが安全な作業の限界で、その奥にあった目通り190cmケヤキは半分を人力で枝下ろしをしました。
目通り200cmと190cmのケヤキは胴木を4mで吊り伐ることができないので、枝を全て取り払った後にチルホールで伐倒し造材してからクレーンで吊り出しました。
25tクレーンを搬入できた場合、一番奥の1本を除き6本を伐採する予定でしたが、20tクレーンでも予定通り伐採することができました。
伐採した材・枝葉は分担通り当日中に全て搬出を完了し、奥の残った目通り230cmのケヤキは13tクレーンを道路に設置して追って行うことにしました。
群馬県下仁田町 県道脇の落石防止工事に伴う樹木伐採工
平成28年12月2日実施
以前、狭山市での法面保護工事の際に一緒に仕事をした群馬県の法面専門の工事業者様より、下仁田町内の県道脇の法面にあるスギとケヤキの伐採の依頼がありました。
群馬県発注の工事で樹木等の植生を除去し、法面にアンカーを打ち込んで落石防止のネットを張るという作業現場で、そのうちの樹木伐採を依頼されました。
灌木等は法面業者様が先行して除去しましたが高木だけはどうしても伐れず、施工できる業者が見つからないとのことでした。
現場は下仁田町とは言え、最寄の高速ICは上信越道の碓氷軽井沢ICで長野県がすぐそこまで迫る山奥の県道脇でした。
当社の対応エリアを大きく離れていますが、知っている業者様のお願いでしたので当社では伐採のみに限定し、全ての交通費等を別途ご負担いただくことで作業することになりました。
この他にクレーンの手配、発生材の搬出運搬処分、道路使用許可申請も全て法面業者様が行っています。
現場は交通量が少ない山奥の県道であったので、都市に近い現場では16tクレーンを使用しなければならないところを25tクレーンでの作業許可が下りました。
諸般の都合により空師伐採ができず、作業を1日で確実に終了させるため、25tクレーンのほか27m高所作業車も搬入しました。
当初、22m高所作業車を業者様に用意していただくことになっていましたが、日程変更で車両を手配できなくなってしまったことから当社で手配して持ち込みました。
現場確認に行った時は16時にはすでに辺りは結構暗くなっており、周りの山が高い谷沿いの県道なので、作業中に太陽を見れた時間は日中の少しだけでした。
当社を朝5時半に出発して朝8時過ぎより作業を開始し、準備後はまずケヤキ等の広葉樹を吊り伐りしました。
通常であればどの木も丸吊りできる重量・範囲にありましたが、道路片側での作業でアウトリガーがほとんど出ないので小さく伐るように指示がありました。
また、枝は道路片側に吊り下ろすため、元から大きく伐ることができませんでした。
スギはクレーンと高所作業車の間に設けていた狭いスペースに吊り下ろすため、逆に全て3~4分割にしなければなりませんでした。
伐採木は道路上に吊り下ろして処理し、枝葉は手作業で4tダンプに積込んでチップ工場へと運搬していました。
幹と太枝は、伐採現場のすぐそばに製材所があったのでスギの胴木は3m、ケヤキは2mの薪材に造材して引き取ってもらいました。
この業者様より年内指定で、新たに甘楽町で行う法面保護工事に伴いスギ10本等の伐採も依頼されており、2日間の予定でまた群馬へ出張します。